本来であれば、今回の話題は「3. baby の複数形は『y を i に替えて -es をつける』ではない」や「4. play の三単現が plays なのに、study が studies なのはなぜ?」の次に「5. …」として…、いや、これら2つよりも先に取り上げておくべきことでした。なぜなら、こちらの方がより「そういうものだ」と信じこまされていて、疑問を持たずに来てしまっている可能性があることだからです。おそらく、みなさんの学校の真面目な先生方もそう信じてきて育った方が多いにちがいありません。だからきっと次のような話は授業で出てきていないでしょう。実は、筆者もかつてはそのような教師の一人でした(笑)。
今回の問題点…というか疑問点を整理しておきます。名詞の複数形や一般動詞の三単現は多くの場合、語尾に -s を付けます。全く形がかわってしまうもの(例えば、child - children, have - has など)は今回の話題からはずすと、-s の付け方には3種類あります。すでに上記の「3. …」と「4. …」で < ie + -s > となることについては説明しました。しかし、そもそも -es となる場合があることについてはその理由を解決していませんでしたね。今回はそれを明らかにして、みなさんに目から鱗を落としてもらおうと思います。
タイトルにもあるとおり、学校や塾の先生の話や参考書では次のように説明されていると思います。
「語尾が -o, -s, -x, ch, -sh の場合は -es を付ける」
まあ、素直にこれを覚えればいいわけですが、それでは本コーナーの意味がありません。なぜ、これらの単語のときだけ -s ではなく -es を付けるのでしょうか? 繰り返すようですが、「~の場合は…」を聞いているのではありません。それは上記のとおりわかっています。「なぜそうなの?」を尋ねています。
話を先に進める前に、まずはこの疑問点に対して今すぐ答えが出せるか考えてみてください。
ヒントを出しましょう。この疑問点を「つづりと発音に関すること」で取り上げているということから、この疑問に対する答えもそこから説明できます。なお、2つ目の段落で「全く形が変わってしまうものは今回の話題からはずすと…」としたのは、こちらはつづりと発音とは関係のない理由からきているからです。
(ポーズ)
答えが出た方は、自分の答えをこれから説明することと照らし合わせて確認してください。答えが思いつかなかった方は、この後の説明をぜひしっかり読んで理解してくださいね。他の項目同様に、いきなり答えは言いません。少しずつ話を進めていきましょう。
さて、多くの場合は -s を付けるわけです。つまりこれが基本です。しかし、語尾がある条件の単語のときだけ -es を付けます。そこで、思考のスタートを「なぜそれらの単語のときだけ -s ではいけないのか?」とします。そうすると、答えが見えてきます。先述した条件に当てはまる次の5つの単語の変化(動詞の三単現の例)を見てみましょう。
・go → *gos (goes)
・pass → *passs (passes)
・fix → *fixs (fixes)
・catch → *catchs (catches)
・wash → *washs (washes)
上記の太字の単語(*は実在しない語を指す)が -s をそのまま付けたものです。これらを見て何かに気づきましたか?
そうです。太字のようにつづると正しく読めないです。つまり、発音どおりのつづりになっていないということになります。
では、これらがどのように読まれてしまうかと言うと…
・*gos = ゴス
・*passs = パスス(そもそも -sss というつづりは存在しない)
・*fixs = フィクスス
・*catchs = キャッチス(同様に -tchs は存在しない)
・*washs = ウォシュス(同様に -shs は存在しない)
以上のことから、本来の発音である「ゴウズ」、「パスィズ」、「フィクスィズ」、「キャッチィズ」「ウォッシュィズ」と読んでもらうために -es というつづりを宛てたのです。
いかがだったでしょうか。今回も目から鱗が落ちたでしょうか。わかってみればそれほど難しくないことなのに、それに気づかずにきていたという人が多かったのではないかと思います。