横浜海軍黒カレー

横浜の大学に通うようになって、前期は週に2回、後期は1回、みなとみらい地区のビジネスホテルに泊まっています(今シーズンは終わりました)。時給払いの非常勤講師(つまりアルバイトと同じ)の薄給では金銭的に苦しいのですが、片道2時間以上かかるのと、朝一番の授業があるということから、健康上無理ができない身としては仕方がありません。

 

もっとも、今年度は県民割や全国旅行支援などの補助があったので、金銭面の負担は少し軽減されています。その中で助かっているのが地域振興券です。時期によって1泊3,000円だったり2,000円だったりしますが、すべてを食事代に回せば現地にいる間のそれがなんとかまかなえます。ただし、使える店が限られているので、必ずしも好きなものが食べられるわけではありません。

 

そんな中で、なじみになったお店があります。それは“横浜海軍黒カレー”という看板を出しているカレー専門店の「風我亭(ふうがてい)」です。たまたま中華街近くのホテルからJR桜木町駅方面へ散歩しているときに途中の関内駅近くで見つけた、地域振興券が使えるお店の1つでした。

 

「黒カレー」という響きに惹かれて入ったのですが、カレー屋というイメージよりも少し高級な感じのするお店で、店内にはいつもジャズの音楽が流れています。謳い文句として「フランス料理のシェフが手掛けた…」とあるのはカレーとは多少ミスマッチですが、確かに店内は庶民的なフランス料理店のような装飾が施されています。なお、横浜海軍を名乗っていますが、海軍との関係はないそうです。

 

件の黒カレーは、肉の量によって3ランク(ベーシック680円、レギュラービーフ880円、スペシャルビーフ980円)ありますが、筆者が注文するはたいていスペシャルです。初めて行ったときは開店1周年記念で、ディナーでもこの値段でミニサラダと飲み物(私はホットコーヒー)が付いていました(ランチタイムは今でも単品の値段でミニサラダと飲み物付き)。今はセールが終わっていますが、それでも単品+120円で同様のセットになります。カレーの味は辛口、甘口、ハーフ&ハーフが選べます。

 

さて、食事が始まるとまずミニサラダが出てきます。これはファミレスのそれよりもずっと高級な感じの食材が美しく盛られている贅沢な感じのするものです。しかもドレッシングがとても美味しい。少し甘めのフレンチで、今まで食べた中で一番美味しいかもしれません。これだけでも食べる価値があります。「このドレッシングを買うことはできませんか?」とお願いしてみましたが、それはダメでした。

 

いよいよメインの黒カレーです。頼んだのはハーフ&ハーフなので、真ん中に盛られたご飯の両側に甘口と辛口が分けられています。まず驚くのは、当然ですが真っ黒なカレーです。見た目から甘口でも辛そうです。その間にあるご飯も小豆のように濃い茶色をした十六穀米、そしてそれらを盛っているお皿がカレーの色に勝るとも劣らない黒い色をした厚くて重いもの(浅草のかっぱ橋道具街で1枚3,600円で買ったそうです)。つまり、全体が真っ黒なのです。

 

では、食べてみましょう。あまり辛いものが得意でないので、甘口からです。とてもコクのある、しかしサラッとした口当たりのカレーです。驚くべきは肉の大きさと量です。まさに「ゴロゴロ」という表現がピッタリな肉です。しかもやわらかい。1,000円以下でこんなに肉が入っているカレーは食べたことがありません。

 

辛口は本当に辛そうなので、真ん中のご飯の“ダム”を少しだけ壊して、残った甘口と混ぜながら食べます。ヒャ~!それでも辛い!グラスの水を2回お代わりし、汗をかきかき食べ終わりました。辛いものが得意な人にはなんともない辛さなのでしょうけど…。 なお、付け合せの福神漬けは甘めのもので、辛口の辛さを和らげる効果がありました。

 

食べ終わると、飲み物が出てきます。ホットコーヒーのカップもなかなかおしゃれなもの。コーヒーは機械で入れたものですが、十分に美味しいです。

 

料理が美味しくてお店の雰囲気もいいのですが、筆者がそれ以上に気に入ったのが、スタッフのみなさんの接客態度です。特に、店長さん(50代前半の男性)はバーのマスターみたいな外見の人で、お店がそれほど混んでいないときはとても気さくに話しかけてくれます。ネット上の書き込みでもそれを楽しみにしている人がいるようで、筆者もその一人になりました。

 

筆者のように頻繁に訪れる客には特に親切に話しかけてくれます。筆者が毎週水曜日に行くことを覚えてくれていて、店に入った途端に「おっ、『水曜日の男』が来ました ね」とか、夜遅めに行って他の客がいないときは「貸し切りにしておきましたよ」などと冗談も言ってくれます。他のウエイターの方も明るく応対してくれますし、料理長さんは口を開かずニッコリとして話を聞いてくれています。

 

話を料理に戻しましょう。定番のカレーライス以外にも、野菜が中心でご飯が最少限の焼カレー(3種類あり。筆者は「ハロウィーン限定品」を食べました)もあり、女性も安心して注文できます(ただし、男性には少し物足りないかも)。 また、ステーキをメインにした少し高級なコースもありますので、その日の気分や予算で色々な味が楽しめます。したがっ て、カレー屋というよりは、カレーがメインのフレンチ・レストラン(?)といったところでしょうか。

 

横浜駅からJR根岸線で2駅の「関内」駅北口より徒歩2分くらいの好立地にあり、美味しいカレーがおしゃれで庶民的な雰囲気の中で食べられる「風我亭」。横浜に行った際にはぜひ立ち寄ってみてください。まだどこのメディアにも取り上げられていないので、比較的空いています。もちろん、お店のホームページもありますから、チェックしてみてください。お客さんが投稿したカレーを食べているシーンのYouTube動画も見ることができます。

 

そう、そう。食べに行けない人のために通信販売も始まりました。お店のホームページから注文することができます。ぜひお試しを!(1/28/2023)

 

「つぶやき」メニューに戻る 

「ホーム」に戻る 

ミニサラダ&

ドレッシング

食後のコーヒー

ハーフ&ハーフ

(辛口・甘口)

甘口カレー

季節野菜の焼きカレー

※↑はハロウィーン版

別の日のミニサラダ

入口外の看板