「しまった!」その1

「しまった!」とは、何か予期しない失敗をしてしまったときに発することば。つまり、今回は筆者の失敗談です。現時点でそうした失敗談を2つ思いついているので、「その1」としました。英語学習とは直接関係ありませんが、異文化理解としては価値のある(?)失敗だったと思っています。また、もしかしたらみなさんも同じようなことをしてしまう可能性があるので、筆者の失敗を参考にしてください。

 

筆者が大学時代にアメリカの大学に留学していたことは、「留学に関すること」に詳しく書かれていますが、帰国する年(1984年)はアメリカでは大統領選挙の年でした。共和党の代表は後に実際に大統領になったロナルド・レーガン(Ronald Reagan)氏で決まりという感じでしたが、民主党は決定的な候補者がおらず、最後までギリギリの戦いをしていました。それはちょうど今回の選挙で民主党候補がバイデン氏に決まるまでに紆余曲折があったのと同じような構図でした。

 

ステイ先の家主ビル(Bill)はいつも地元の FM Omaha を聞いていましたが、ニュースで話題になるのもこの時は民主党のレースが中心でした。どんぐりの背くらべ(?)のような候補者しかいない民主党でしたが、よそ者の筆者でも知っている候補者が2人いたので、よくニュースに耳を傾けていました。

 

2人のうちの一人は、カーター大統領時代に副大統領であった(そしてクリントン大統領時代に駐日大使を務めることになる)モンデール氏(Mondale, 「ンデイル」と発音する)で、もう一人はその前年に公開された映画『ライト・スタッフ』(The Right Stuff)にも登場した実在の元宇宙飛行士のジョン・グレン氏でした。

 

異国の地の大統領選挙でも自分が話に参加できる候補者がいたので、ある日ラジオのニュースに合わせて家主のビルに Which of them do you think is going to win? と尋ねてみました。すると、ビルは手にしていたビールのジョッキをテーブルにガタンと置き、F○ck them!(○部分は想像してください) Reagan is my boss! と叫んだのです。

 

「しまった!ビルは共和党員だったのか!」

 

そう思ったものの、もはやあとの祭り…。筆者が楽しそうに(?)民主党の候補者レースの話をしたので、ビルが機嫌を悪くしたというわけです。ビルはとても優しい人なので、それ以上筆者に何か文句を言ったりすることはありませんでしたが、この時は冷や汗をかきました。もちろん、日本でも支持する政党がはっきりしている人の前で他の政党の話をすると機嫌を悪くさせるようなことがあるかもしれませんが、日本での普段の生活ではアメリカほど政治に対して意見が対立することがあまりなかったので、油断していました。35年以上も前にそんな経験をした筆者には、つい先日の大統領選挙で共和党員と民主党員があれほどもめていた理由も理解できました。

 

ちなみに、英語で共和党は the Republican Party で共和党員は Republican、民主党は the Democratic Party で共和党員は Democrat と呼びます。トランプ前大統領は Republican、バイデン現大統領は Democrat ですね。その前のオバマ大統領は Democrat、ブッシュ(息子)大統領は Republican、クリントン大統領は Democrat、ブッシュ(父)大統領は Republican、…と、ここのところは共和党と民主党が交互に大統領の座を得ているというところが面白いですね。(2/20/2021)

 

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