私の賞状

筆者はよく自分の生徒に「私はこれまでに賞状をもらったことが一度もありません。でも、毎年いっぱい賞状のようなものをもらいます。それは卒業生からの年賀状です。」という話をします。もっとも、話の前半の部分は今から3年前に大きな賞をもらってしまったので(「作者について」参照)、もはや真実としては使えないのですが…。

 

話の後半の部分については、今年の正月も多くの卒業生から年賀状をもらいました。ただ、ここ数年は個人情報保護の観点から生徒や教員の住所録を作らなくなったので、在校生はもちろんのこと、最近の卒業生からは年賀状が届かなくなりました。生徒と教師がお互いに住所を知っていたのは、筆者の場合は最後に担任した平成27(2015)年度の卒業生が最後だったと思います。

 

その最後に担任した生徒たちが先日無事に成人の日を迎えました。もっとも、コロナ禍でいろいろ話題になっていたとおり、彼らの成人式も卒業生が一堂に会する「成人を祝う会」も中止になりました。彼らから送られてきた年賀状の何枚かにはすでに晴れ着姿の写真が載っていましたが、コロナ禍で成人の日に写真を撮るのが難しくなるのではないかと考えて、あらかじめ撮っておいたものなのかもしれません。

 

一生に一度きりの成人の日を盛大に祝うことができなかったのは本当に残念であったでしょう。特に、成人を祝う会を企画してきた幹事たちにとっては、自分たちがかけてきた時間と労力が無駄になってしまった無念はいかほどのものであったでしょうか。もちろん、その会に招待されていた筆者も懐かしい彼らの顔を見ることができずに大変残念でした。

 

そこで、成人の日の当日、そんな彼らに向けて筆者の映像メッセージをYouTubeの限定公開で贈りました。成人を祝う会の連絡用に作成された LINE を使って件の映像の URL を知らせたのですが、本日の時点で卒業生205人のうちの148人が見てくれたようです。それは、筆者の長い教員生活の中で最も充実した3年間を過ごさせてくれた彼らに対する私からの賞状のつもりでした。(1/16/2021)

 

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