It's ten bucks.「それは10バック」?

今回の表現はスラング(俗語)で、正式な場面で使われることはありませんが、ごく親しい間柄(特に若い人)ではかなり頻繁に使われます。したがって、映画やドラマでは本当によく聞く表現です。bucks の前に付く数字はいろいろありますが、とりあえずここでは ten としておきました。

 

buck とは、「雄シカ」という意味の名詞ですが、辞書を見てみると、「ドル」という意味も出てきます。つまり、ここでは「ドル」という意味で使われている場合の話をいていると考えてください。したがって、タイトルの意味は「それは10ドルです」ということになります。カジュアルな場面で知り合い同士の間での会話なら、It's 10 dollars. というよりもはるかによく聞く表現です。

 

A: How much is this?(これいくら?)

B: It's one hundred bucks.(100ドルだよ)

 

ここで気になるのが、なぜ「雄シカ」がドルになるのかということですね。これは、かつてアメリカの開拓時代に現地人(ネイティブ・アメリカン)との取り引きを物々交換でやっていたことに関係があります。つまり、現地人が持つ雄シカの毛皮と開拓者が物々交換で商売をしていたのです。

 

実際に毛皮が1枚1ドルであったのかどうかはわかりませんが、商売をする上で毛皮の枚数が単位になり、それに対応するお金の単位と同じ意味になったようです。そして、そのときのことばが今も残っていて、カジュアルな場面での知り合い同士の取り引きでは今でも普通に使われているというわけです。

 

英語初学者が使うには少し勇気がいりますが、理解するという点では比較的易しい表現なので、英語やドラマを見るときは注目いていてください。

 

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