Something to eat

今回も入院ネタです。入院患者の回復を支える病院食の話です。

 

病院食と言えば、かつては「美味しくない」とか「まずい」というのが一般的な声でした。確かに、筆者が25年前に入院した地元の40床ほどの病院では、朝食は每日食パン2枚、ゆで卵、牛乳しか出ず、とりあえず出されたから食べるという程度のものだった記憶があります。

 

しかし、最近はそのような声はあまり聞かなくなりました。むしろ、「〜病院は食事が美味しいよ」という声を聞くことの方が多くなったと思います。もちろん病院として大切なことは、的確な診断と適切な治療を施すことで、あくまでも食事はそれを補完するするためのものでしょう。

 

さて、筆者がこの夏に入院した都内の大学病院の食事は、入院者の間では「美味しい」と評判になっています。国立大学の附属病院なので、治療費も個人の医院や私立の病院などに比べると驚くほど安い中で、最新の医療を提供してくれるありがたい存在ですが、加えて入院中の食事が美味しいというのは、毎回の食事くらいしか楽しみのない患者にとっては精神的にも助かります。

 

もちろん、一食450円程度の自己負担(残りは保険が負担)でできる内容は限られていますし、ほとんど身体を動かすことのない(できない)者に高塩分・高カロリーの食事は出せませんから、満腹になるほどのものは出ません。しかし、専属の管理栄養士さんが考え抜いて献立を作ったのであろうと思われる食事は毎回とても美味しく、デイルーム(面会や患者の談笑用の部屋)に張り出されている週刊の献立表を見て、毎食を楽しみにしていました。

 

同病院にはこれまでに計7回入院しており、その度に全ての食事を写真または文字(日記)で記録してあるのですが、それを元にいくつかの特徴をお話ししましょう。  

 

まず朝食ですが、希望によりパン食か米飯食かを選べます。また、それを途中で変えることもできます。何も希望を出さないとパン食になるようで、過去7回はいずれもパン食でした。しかし、長く入院していると普段は朝食にパンを食べない筆者にはもの足りなく、7回目(本年8月)は2週間くらい経ったところで米飯食に変えてもらいました。なお、献立表を見ると、パン食と米飯食ではおかずが若干異なっています。 

洋食(ロールパン)

洋食(食パン)

和食(ししゃも)


 

次に昼食ですが、これが一番バリエーションがあって楽しいです。米飯ならちらしずし、ピラフ、カレーなどが出てきます。カレーは毎週あり、野菜カレー、ポークカレー、ドライカレーなどのバリエーションがあります。麺類も毎週あり、今回はスパゲティーミートソース、天ぷらうどん、焼きそばなどが出ました。白米のときはおかずに工夫があり、スパニッシュオムレツ、とろろなどはとても美味しかったです。 

ビーフストロガノフ

ポークカレー

スパゲティーミートソース


 

最後に夕食ですが、こちらは魚が中心です。それだけを聞くと肉食派の人は「え〜」と思うかもしれませんが、どうやって調理したのかと思うくらいの絶妙な味付けがなされているので、筆者はまずいと思ったことはありません。ちなみに、7回目の入院時の魚料理の名前を列挙すると…、さわら、トロあじ塩焼き、カジキマグロ煮、かれい塩焼き、ぶり柚庵焼き、さけ味噌焼き、かれい焼き、ソイ南蛮焼き、さば味噌焼き、さけ醤油焼き、赤魚粕漬焼き、カジキのムニエル、です。肉類が出るのも夕飯の楽しみで、鶏肉しそ焼き、とんかつ、豚肉柳川風煮、鶏肉焼き、肉団子甘酢あん、豚肉味噌焼き、鶏肉香味焼き、豚肉照焼き、ハンバーグきのこソース、鶏西京焼き、などです。 

焼き魚(名前忘れた…)

サケフライ

とんかつ!


 

さらに、昼食と夕食は220円の追加料金で特別食を頼むこともできます。こちらは別添えのシーフードカレー、牛丼、ドリア、冷し中華などが出ます。事前にメニューを見て1週間分をまとめて頼まなければなりませんが、筆者はいつも退院前の数日間を退院祝(?)として特別食にしていました。しかし、7回目はカロリー制限があって注文を断られてしまいました…(涙)。

牛丼

チキンカレー(別添え)

エビフライ(大)!


ところで、筆者が「これはいったいどこで仕入れているんだろう?」と毎回入院時に思う食材があります。それは朝食で何日かに一度出されるオレンジです。比較的大きめの八つ切りが2切(以前は3切)出てくるのですが、これがなんとも甘くて美味しいのです。その辺の普通のスーパーでは売っていないレベルの果肉の多さと甘さにいつも驚いています。少い予算の中で、きっと生産者(輸入者?)を決めて仕入れているのでしょう。いつか厨房に行って、仕入れ先を尋ねてみたいと思わせる逸品です。

 

いかがだったでしようか?最近の病院食はとても美味しいということを筆者の実体験からお話ししました。「ダイエットのために、数か月に一度は入院してもいいかな…」とも思わせるような食事に出会えたことは、病気を抱える身としてはとても幸せなことだと思っています。(9/9/2023)

 

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