自説の訂正が必要?

本ホームページの「学習法に関すること」「7. 映画は究極の英会話教材」には、「英語学習に最適なのはSF映画である」と書かれています。そして、その理由として、「時代を反映するようなスラングがないこと」や「主人公が比較的ゆっくり話すこと」などがあげられています。これは筆者が30年以上前から持っている自説なのですが、最近のあるSFドラマを見てその自説を撤回しなければならない可能性を感じています。

 

筆者が好きなSF映画・ドラマの1つに-いや、一番好きな映画・ドラマに-、『スター・トレック』(Star Trek)のシリーズがあります(「19. 私の大好きなドラマの話」参照)。その中では、上記のような例として、ドラマ2作目の『新スター・トレック』(Star Trek: The Next Generation, 1987-94)とその映画版4作、ドラマ4作目の『スター・トレック ヴォイジャー』(Star Trek: Voyager, 1995-2001)などがあります。これら2作品では、一部の例外を除いてほとんどの登場人物が比較的ゆっくり、わかりやすい英語で話してくれています。

 

ところが、2018年に始まったドラマ6作目の『スター・トレック ディスカバリー』(Star Trek: Discovery)と2020年に始まったドラマ7作目の『スター・トレック ピカード』(Star Trek: Picard)では、登場人物の多くが早口で(特に前者の若い女性ティリーはマシンガン級早口が特徴)、そこそこリスニング力に自信のあった筆者でも何を言っているのかわからないことがよくあります。そして、後者ではなんと!体制側の宇宙連邦(Star fleet)の提督が女性であるにもかかわらず、"f○○○in' ~" などと言う始末です。これには筆者も大ショックです。他にも内容面でこのシリーズのファンとしては許せないことがあるのですが、それは置いておいたとしても、英語に関してはこれまでのSF映画の”常識”とも言える使い方を逸脱していると言わざるをえません。

 

実は、最近のアメリカ映画やドラマには、以前のようなのんびりとしたものがあまりなく、人間関係がぎすぎすしたものや、場面がやたらとハラハラ・ドキドキさせるものばかりで、結果的に使われることばが「速く」「汚く」なってしまうのも仕方がないかもしれません。もし、SF-いや、SFに限らず-映画・ドラマを英語学習に使うのであれば、1990年代くらいまでに作られた作品がいいでしょう。もちろん、その中にも聞き取りの難しい作品はありますが、比較的多くの作品がみなさんの英語学習を助けてくれると思います。なお、2021年には『スター・トレック』のドラマ8作目 Star Trek: Strange New World(邦題未定) が放送されることがごく最近アナウンスされました。6作目・7作目とは作り方を少し変えるようなので、こちらは少し期待したいのですが…。(5/30/2020)

 

<お断り>

5月中は臨時休校中の遠隔授業(ロイロノート)の教材準備で平常時以上に忙しく、本ページの新規記事を書く余裕がありませんでしたので、先週末と今週末は「つぶやき」以外の記事の更新はできませんでした。6月は学校が再開される上に遠隔授業も行うことになっているので…。う~ん、生きていれば(?)、更新するかもしれません…。

 

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