【質問】
speak, talk, tell, say のちがいは何ですか?
【回答】
「聞く」の hear と listen のちがいや、「見る」の see と look と watch のちがいと同様に、「話す」に使われる speak, talk, tell, say のちがいもよく質問を受けます。これらも例文を見ると使い分けがなんとなくわかりますから、まずはそこから始めてみましょう。
1. speak と talk のちがい
まずは教科書の本文で speak や talk がどのように使われているかを見てみましょう。
※NH: New Horizon(東京書籍)、NC: New Crown(三省堂)
○speak
・He speaks English really well.(NH)
・Can I speak to Raj, please?(NC)
○talk
・I talked with many people.(NC)
・Usually, he doesn't talk about animals.(NH)
上記の例文からこの2つの動詞の使い方の典型的な特徴を読み取ることができます。
○speak について
・言語を話す
・用件を話す
○talk について
・複数の人と話す
・物事について話す
ただ、上記のように場面があまりはっきりしない中でそれぞれの動詞の意味を説明してもまだわかりにくいですね。そこで、辞書に載っている例文も加えてみましょう。
○speak
・The President will speak on TV.
・The newspaper speaks to a lot of people.
○talk
・What are you talking about?
・Ted and I talked on the phone.
上記の例文を見てみると、さらに次のようなことが見えてきます。
・speak の方が talk よりもやや形式張った内容を話している感じがする。
・speak は一方的に大人数に話しかける感じがするが、talk は複数の人間が話し合っている感じがする。
以上のことから、この2つの動詞の使い分けは次のようにまとめられます。
○speak は聞き手がいる・いないに関わらずことばを一方的に発することを表します。そこで、「話す」「演説する」といった意味があてられます。
○talk は聞き手と話し手の両方がいて相手とことばを交わすことを表します。そこで、「しゃべる」「話し合う」といった意味があてられます。
2. tell と say のちがい
tell と say もどう使い分けたらいいかわからないという人もいるでしょう。また、これらと speak と tell のちがいもよくわからないという人もいると思います。また、そこで、ここでもまずは教科書に使われている tell と say の例文を見てみましょう。
○tell
・She often tells interesting stories.(NC)
・Could you tell me how to get to Kokuritsu-kyogijo Station?(NH)
○say
・He said, "Practice hard, and we can get the trophy."(NH)
・He said, "The hula is our traditional dance."(NC)
上記の例文は見かけがかなり異なっているので区別がつきやすいように思われますが、必ずしも見かけではわからないこともあります。そこで、もう少し例文を増やしてみて、さらにちがいをはっきりさせてみましょう。
○tell
・Please tell me the way to the library.
・My father often tells a joke.
○say
・What did you say?
・He said something to me.
上記の例文から次のような意味で使われていることが見えてきます。
○tell について
・物語などを話す
・道順などを教える
○say について
・実際のせりふを言う
・ある内容を述べる
以上ことから、この2つの動詞の使い分けは次のようにまとめられます。
○tell は誰かに情報を伝えることを表します。そこで、「言う」「語る」「教える」といった意味が与えられます。
○say は実際に口に出した内容を知らせることを表します。そこで、「言う」「述べる」といった意味が与えられます。
今回は便宜的に「speak と talk のちがい」「tell と say のちがい」という対立でそれぞれの動詞の使い方のちがいを説明しましたが、これらの動詞の使い方で混乱している人にとっては、4つの動詞の別の組み合わせ(全部で6通り)でも使い分けに迷うことがあるでしょう。そのような時には、ぜひ上記の例文と青字でまとめた部分を読み返してみてください。
そして、これらの動詞を適切な場面で使えるようになる最もよい方法は、自分でこれらを実際に使ってみることです。聞いたり読んだりして理解するだけでなく、話したり書いたりしてそれぞれの語の感覚を身につけてください。