ずーむいろいろ

今回は知っている人にとってはなんてことのない、知らない人にとっては「いったい何のこと?」という話です。タイトルにある意味不明のことばは、『Zoom』と『 ロイロノート』という、いずれもウェブ上で作業を行うアプリのことで、新型コロナウィルス騒ぎで俄然注目されている便利ものです。 Zoom はウェブ会議を行うためもので、ロイロノートは生徒とウェブ上で情報交換ができるという優れものです。

 

3月初めに学校が臨時休校になった際、いち早く勤務校の研究部長さんがこの2つを紹介してくれたのですが、当初はそれらがどういうものかがよくわかりませんでした。特に、ロイロノートの方は名前すらよくわからず、会議終了後は「いろいろノート」だったか「レトロノート」だったか…という具合でした。

 

そのよくわかっていなかった2つを、今週の月曜日に初めて経験しました。当初は勤務校の教員が一同に集まった研修会で使用方法を学ぶということが計画されていたのですが、直前の週末に首相から「出勤を7割減らすように」という要請が出されたことから、急遽それぞれの教員が自分のいるところでいきなりこの2つを使ってみるという研修会に切り替わったのです。筆者は在宅勤務を選択させてもらったので、自宅の書斎でカメラ付ノートパソコンを準備しました。

 

メールで指定された時間にあらかじめ設定しておいた Zoom にログインすると、すでに多くの先生方が自分や学校のパソコンでスタンバイしていました。自分の画面も追加されてマイクで交信ができるようになっただけでドキドキです。以前にスカイプで妻と海外から交信したことがありましたが、イメージとしてはそれを多人数でやるという感じですね。ほぼ1時間、自分はほとんど聞く側の人間でしたが、このアプリは使い勝手のいいものだと思いました。しばらくはこれが威力を発揮することになるのでしょう。もっとも、セキュリティーが脆弱なことがわかった、アメリカの研究機関では使用禁止になったという話も聞きましたが…。

 

ロイロノートの方は、Zoom のような即時応答型ではないものの、ウェブ上のノートを教師と生徒の間で共有できるというものなので、教師が課題を出して生徒がその課題をやり、その結果を生徒が提出して教師が確認するということができます。以前から一部の大学や学校で使われていたようで(勤務校の若い先生の中には前任校で使っていた人もいます)、臨時休校中の学習支援には最適なものかもしれません。ただ、それを使える環境が生徒全員にあることが前提のものなので、本格的な運用には慎重な検討が必要だと感じました。

 

社会のあり方を揺るがす今回の騒動は、図らずも教育のあり方を根本から見直す良い機会ともなっています。学校に集まって全員で授業を受けるという形以外の学習のあり方を、これからは学校教育を担う教師も考えて実行していかなければならないでしょう。(4/18/2020)

 

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