なぜ現在完了は[have+過去分詞]で表すの?

「なぜ~なの?」シリーズの第2弾です。実は、ちょうど筆者が教えている中3の授業で、授業後に複数の生徒からタイトルのような質問を受けました。授業では現在完了の継続を最初に扱いましたが(教科書の登場順がそうであったため)、現在完了が表す時間帯は図示したので、生徒は現在完了の概念自体は比較的簡単に理解できたようでした。しかし、その場ではなぜ[have+過去分詞]でそういう意味になるのかということは説明しなかったので(普通は導入時にはしないでしょう)、そのことに疑問を持った生徒が筆者のところに質問に来たようです。日頃から「『そういうものだ』と無理に納得せずに常に疑問を持つように。そしてそれを解決するようにまず考えなさい。もしわからなかったら、先生に質問しなさい。」と言い続けている成果かもしれません。

 

では、本題です。なぜ[have+過去分詞」で「(今まで)ずっと~してきた」(継続)という意味を表せるのでしょうか。授業で扱った2文で考えてみます。

 

① We have studied English at school for two years.

② He has lived in Tokyo since 2004(he was born).

 

まず、現在完了形を表す2つの要素を個々に見てみましょう。

 

・have は「~を持っている」という現在の状態を表す動詞です。「~を持ち込む」という意味にとらえた方が have を使う他の表現も理解しやすくなると主張する人もいますが、ここでは初学者のことを考えて「~を持っている」としておきましょう。

 

・過去分詞は完了や受け身に使われることから、「~し終えた(状態の)」や「~された(状態の」という意味を表します。つまり、「過去に行ったことの結果の状態」を表すことばと言えます。例文では、

①の studied は「勉強した状態の」、②の lived は「住んだ状態の」ということになります。

 

以上の2つを合わせると、「過去に行ったことの結果の状態を持っている」となります。つまり、「過去の行為や出来事が現在まで続いている」ということを表すわけです。①は「2年前に英語を勉強した状態が今も続いている」、②は「2004年から(生まれてから)東京に住んだ状態が今も続いている」という意味になります。現在完了は現在に視点を置きつつ、過去に起こったできごとが現在まで続いていることを表すわけですから、[have+過去分詞」でその内容を表せるというわけです。

 

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