後置修飾の理解が英語学習の最大のポイント(その3)

(3) 節によるもの(ほぼ3年生)

 

① Do you know the girl Tom is talking to?

② Ms. Brown is a teacher who came from the UK.

③ This is a bus which goes to the station.

④ This is the letter (that) I received yesterday.

⑤ I'll show you a book (which) I read yesterday

The person (whom) I met here yesterday was Mary 

 

中学校で習う文法事項としては最難関とされているものなので、どの教科書でも3年生で扱われます。「節」とは文の形をした表現のことです。つまり、主語と動詞が含まれている表現です。ほぼ「文」と同じですが、文として独立しているわけではないので、「節」と呼ばれます。

 

①の赤字部分は、節が被修飾語(the girl)にくっついている(接触している)ので「接触節」と呼ばれます。②~⑥は、いずれも太字の部分に関係代名詞が使われている節なので、「関係節」と呼ばれます。このうち、②と③は関係代名詞が関係節の中で主語の役割を果たしているので「主格」の関係代名詞、④~⑥は関係代名詞が目的語にあたるので「目的格」の関係代名詞と呼ばれます。このうち、⑥の whom は中学校では習わない語で、代わりに that を使うように習います。なお、①の接触節は④~⑥で可能な関係代名詞の省略された形と見た目では区別がつきません。

 

さて、このコーナーは文法の基本の説明をするためのものではなく、いかに使いこなすかということに主眼を置いているので、上記の文のそれぞれに対する細かい説明は省略します。ここでは英語を使いこなす上でどのように考えて使ったらいいかということをお話ししましょう。

 

実は、筆者が1983年~84年にアメリカの大学に留学していたときに(その経験談は「留学に関すること」のコーナーを参照)、「なんだか英語を使うのが上手になった気がする…」と自分で思ったのが、関係節を使いこなせたときでした。それは同時に、筆者の頭の中の言語の思考回路が英語に順応したことを意味していました。

 

それがどういうことかと言うと、日本語は文の中である名詞を説明するときにその説明(修飾部)の長さに関わらず必ずその前に修飾語(句)が来る(前置修飾)のに対して、英語の場合は語の段階では前置修飾なのに句のレベル以上になると後置修飾になることを使いこなせるようになったということです。

 

上記の例文で言うと、いずれの場合もとにかくまず前半の部分を言ってしまいます。そしてその部分の最後にある名詞(太字の部分)をさらに説明するという発想をして、その説明(関係節、赤字の部分)を追加して言うのです。

 

この発想に至ることがもっとも重要です。つまり、

①まず言いたいことの核心をズバッと言う

②次に説明を加えたい名詞を文の形で説明する

という発想で英語を話すということです。

 

ただし、②で気をつけたいのが加える説明文の中でその名詞(先行詞、太字の部分)が主語なのか目的語なのかということです。これを一瞬のうちに判断して、主語であれば②・③のような文にし、目的語であれば④・⑤・⑥のような文にする、ということを決めます。そしてそれに合った文(節)を加えるわけです。

 

これは、逆に言えば、日本語で考えて「後ろから訳す」ような発想をしているかぎり、長い英文を言うことはできないということも表しています。

 

では、具体的にどのように訓練したらいいかというと、上記のような例文をできるかぎり多く準備して、まず前半の部分だけを言ってみます。そしてその中の最後の名詞をどう説明したらいいかを考えて後半の部分を言ってみるようにします。

 

練習するときは、あくまでも英語を話すときの発想に従って言ってみてください。けっして「後ろから訳す」ように考えて言ってはいけません。この英語の発想になれて説明を加えられるようになると、筆者と同じように「あれ?もしかして英語が上手くなったかな?」と感じることができるでしょう。

 

ぜひ頑張って、筆者と同じ感覚を味わってみてください!

 

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