懐かしの格好いいオープニング5(その2)

同名タイトルの第2弾です。第1弾が気になった方はこちら(「懐かしの格好いいオープニング(その1)」)をお読みください。

 

筆者はいわゆる「テレビっ子」でした。若い人はこのことばを知らないかもしれませんが、とにかく暇なときはテレビを見ていた子供を指します。今でいうゲーム三昧の子と同じようなものかもしれません。筆者の場合は正真正銘のテレビっ子であったと言えるでしょう。なにせ、テレビ以外のメディアから入ってくる情報には一切興味がなかったからです。中学生になるまでマンガ本すら読んだことがありませんでした。

 

そんなテレビっ子の筆者ですから、小さい頃に見た思い出の作品がいっぱいあります。特に、毎週胸をわくわくさせながら見ていた番組のオープニングは脳裏に深く刻まれています。前回は順位付けをするとすればそのうちの第5位と第4位と思われるものをご紹介しましたが、今回は第3位と第2位の作品です。今回の2作品はいずれも実写版です。

 

【第3位】『ウルトラセブン』1967年10月~68年9月、全49話、日曜日19:00-19:30

前作(実際には前々作)の『ウルトラマン』のときもそうでしたが、日曜日の夜7時前になると他の家族(父、母、兄)にチャンネルを変えさせないようにテレビの前に陣取って、番組が始まるのを今か今かと待ち構えていました。そして、『ウルトラQ』から続く、冒頭の絵の具で描かれた文字が逆回転しながら元に戻ってくる場面が始まると、「始まった!」と興奮が最高潮に達したのを覚えています。

 

本作は、『ウルトラQ』、『ウルトラマン』、『キャプテン・ウルトラ』に続く円谷プロダクションの「ウルトラ・シリーズ」の第4弾として製作された作品です。自然現象から生まれる怪獣中心であった『ウルトラマン』に対して、こちらは宇宙人の侵略を中心とした話が大半でした。また、スタッフもキャストも後に「あの作品は子供向けだと思って作っていなかった」と言っていることから、制作側も大人の観賞に耐える作品を目指していたことがわかります。

 

話をオープニングに戻します。本作は『ウルトラマン』の後継作品という意味合いが強かったので、オープニングも同作品同様に影絵にクレジットを出していくというオープニングになっています。ただし、怪獣や宇宙人よりもウルトラ警備隊の隊員や乗り物(ウルトラホーク1号、2号、3号など)のシルエットの方が優先された映像から、物語が地球人により焦点が宛てられたものだということを子供ながらに感じ取っていました。

 

今回はテレビで放映された最終話(第49話)のものです。ただ、おそらく外国向けのDVDか何かからアップされたものらしく、冒頭に外国語(スペイン語?)の字幕が入っています。また、初期の頃のものとは冒頭のタイトル文字の表示が異なっています。なお、余談ではありますが、本作にはクラシックをはじめとするオーケストラ曲が多く使われているので、後に「交響詩ウルトラセブン」というオーケストラ曲も作られ、ベートーベンの第九のコンサートなみの壮大なオーケストラ曲としても楽しめることができますので、そちらも併せてご覧になってみてください。

<注>再生すると音が出ますので注意してください。

 

【第2位】『サンダーバード』1966年4月~67年4月、全32話(+再放送16回)、日曜日18:00-18:50

日曜日の夕方6時からNHK総合テレビで初放映され、「5、4、3、2、1、(ドドーン!という音)」というカウントダウンと共に始まるオープニングは、今でもあちこちのテレビ番組等に使われるほど私たちの世代の子供に大きな影響を与えた作品です。この作品はイギリス製で、"Thunderbirds" のタイトルで同国で放送された後に、世界中に輸出されました。それを当時NHKが放送したのですからすごいことです。

 

とにかく、まずオープニングが格好いいのです。冒頭で紹介したカウントダウンが終わると、歌(日本語)が始まり、それに併せて途上人物とその人が乗る乗り物が画像とクレジットで一人一人紹介されていきます。そんな作品は当時ありませんでしたし、その後もないと思います。そして、劇中に登場するメカ(乗り物)の描写が細かく、特に各サンダーバードの発射シーンとそれに先立つ乗組員のユニークな搭乗の仕方にはわくわくしたものです。先述した『ウルトラセブン』にもウルトラ警備隊の乗る飛行機(ウルトラホーク)の発射シーンが度々登場しますが、それも『サンダーバード』の影響を強く受けたものだと言われています。

 

そのおかげで、各キャラクターと乗り物1台1台に多くの子供たち(筆者を含む)が魅力を感じました。プラモデルやミニカーなどが数多く発売され、男子の多くがどれかを手に入れたと思います。筆者の周りでも”サンダーバードごっこ”が流行り、近所の子供たちがそれぞれお気に入りのサンダーバード(筆者は1号)を持ち寄って遊んだものです。

 

今回見ていただくのは、日本で放映された日本語バージョンのものとイギリス本国で放映されたオリジナル・バージョンのものです。オリジナル・バージョンの方がずっと格好いいのですが、NHKはそのままだと何の説明もないダイジェスト映像や歌のないテーマ曲の部分で日本の子供たちが退屈してしまうと考えたようで、日本の子供にもよくわかる日本語の歌詞に置き換えられて再編集されたものが使われました。日本語版の方にはエンディング・クレジットもあります。また、ついでに各サンダーバードの搭乗から発射までの一連の流れを集めたものも紹介します。なぜ当時の子供たち(特にメカ好きの男子)が興奮したのかをご理解いただけるでしょう。

<注>再生すると音が出ますので注意してください。

 

次回はいよいよ「ベスト1」です。お楽しみに!

 

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