DCT

今回も前回の「203. Hybrid」と同じ自動車ネタです。ただし、「ハイブリッド」に比べるとかなりマイナーで専門的な話になりますので、あまりメカに興味のない人には響かない話かもしれません。

 

タイトルの「DCT」とは、"double clutch transmission" の頭文字を取ったものです。その名のとおり、2つの(double)クラッチ(clutch)がある変速ギア(transmission)で、日本車ではホンダだけが採用していた(同社のバイクは今も採用中)オートマチック機構です。

 

DCTが他のオートマチックに対して優れている点は、マニュアル車のようにギアが噛んでいることで、多くのオートマチックにありがちな、加速時に滑るような感覚がなく、アクセルの動きに対してダイレクトに加速することです。それでいて、7段変速という細かい動きを自動でやってくれます。

 

ただ、今から10年前に3代目フィットにそれが初めて採用されたときは、プログラムに問題があって、何度もリコールがかかるという事態が起こりました。筆者の車(ヴェゼル)に採用されたときもまだそれが解決されておらず、筆者の車も1回リプログラミングのリコールがかけられました。

 

そういうことを除けば本当によくできたシステムで、走っているときはマニュアル車に乗っているような爽快な加速感を味わえます。また、スピードに応じて自分でギアを1段ずつ変速することもでき、ますますマニュアル感覚で操作ができるというわけです。

 

しかし、ホンダはさらに燃費効率に優れたシステム(旧 i-MMD。現 e:HEV)に新型モデルが登場するたびに切り替えていっているので、確か現在はこのシステムが搭載されている車は製造されていないはずです。ただ、先述のように同社の大型バイクのいくつかのモデルには採用されていて、バイクでありながらオートマチックの車のような乗り心地を味わうことができます。

 

筆者もいつかは新しい車に乗り換えることになるでしょうが、このシステムの車に乗れないのは惜しい気がします。もっともその頃にはそんなことも忘れさせるような新しくて素晴らしいシステムが開発されているかもしれませんが…。(10/21/2023)

 

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