バイクのこと(その2)

1年余り前に「49. バイクのこと」として筆者がかつてバイクに乗っていたことをお話ししました。そして、現在の家に引っ越すのを機会に長年乗っていた愛車を手放してライダーを引退したものの、最近はまた以前に乗っていたバイクのことをネットで調べているということも記しました。今回はその続編です。

 

ここまでの話の流れからすると、この1年の間に再度バイクを手に入れたのかと期待されそうですが、残念ながらそうではありません。この歳になると、若い頃のように無茶はしなくなるもので、「欲しい」「乗りたい」という欲求は相変わらず強くて毎日のようにネット検索をしていますが、実際に手を出すことはありません(今のところは…)。

 

もっとも、手を出そうにも、自分がほしいバイクは手が出ないくらい高額であるということもあります。ここ数年、バイクも車も1970年代から80年代頃の“旧車”と呼ばれる物の値段が高騰しています。コロナ禍のこの1年で2倍~3倍になったものもあるくらいです。おそらくそれは、その頃のバイク・ブームや車ブームを牽引していた筆者の世代の人たちが、定年退職を機会に再び当時のバイクや車を手に入れようとしているからでしょう。筆者もその一人なので、その気持ちはわかります。

 

筆者が欲しいのは、教員になって3ヶ月後に購入した「ホンダCB750Fインテグラ」というモデルです(下の写真参照)。1979年にデビューし、世界中で大ヒットしたCB750Fの最終モデルで、1982年に生産されたものです。当時の定価は750,000円でしたが、筆者が購入した時(1985年7月)には「売れ残り」として約20万円引きの特価で複数のお店で売られていました。その40年近く前の旧車(もちろん中古)が、今では150万円を越える値段(程度のよいものなら200万円越え)で売られているのです。ネットを見ていると、そういう高額モデルもあっという間に売れてしまうので、いかに旧車を欲しがっている人が多いかがわかります。

 

筆者の場合、その「バイクが欲しい」という欲求をなだめるためにある"物"を手に入れています。それはプラモデルです。これまでにCB750Fだけで種類のちがうものを6つ手に入れました。ただ、自分で作るほどの気力がなく、手に入れただけで満足して、未完成のまま箱の中で眠っています。1台だけ他人が作ってきれいに塗装された完成品を手に入れました。今はそれを眺めることで、実車を手に入れようとする欲求を抑えています。

 

バイクにまたがり、風を切って日本中を旅した若き日のことを思い出して胸を躍らせる…。それはもしかしたら、実際にはバイクに乗りたいのではなく、新しいことにチャレンジしながら生き生きと暮らしていたあの頃に戻りたいのだけかもしれません。もしそうなのであれば、今の自分にできる、胸を躍らせることを見つけさえできれば、今の“バイク熱”も自然に覚めていくことでしょう。いや、実はすでにそれを見つけているのにそれをしっかりと意識していないだけかもしれません。じっくり見つめてみます。(9/11/2021)

 

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