筆者が40年近く前にアメリカの大学に留学したとき、最初に耳に付いた(?)表現が "You know, ..." または "..., you know." でした。頻繁に使う人は、一文一文の最後に ", you know." を付けて話すので、相手のことばを「お前は知っている」などと頭の中で訳していると頭が変になってしまうほどでした。
もちろん、"You know, ...." は「あのね、~」と話し始めるときのことばで、"..., you know." は「~だよ」と念を押すような意味のことばです。教科書にはそれがたとえ日常会話のシーンであっても出てこないので、日本人の英語初学者にはあまりなじみがない表現だと思いますが、ネイティブの会話を聞いていると頻繁に使われていることに気づくでしょう。
今回話題にする You know what? もその類いの表現です。直訳すればタイトルのように「あなたは何を知っているか?」という意味ですが、もちろんそんな大仰な意味で使われているわけではありません。大抵は会話の冒頭や話題を変えたいときなどの使われるので、日本語で言えば「ちょっと聞いてくれる?」、「あのさ」、「話は変わるけど」と言いたいときに使われるものだと考えていいでしょう。例えば、次のように使います。
You know what? I had a little traffic accident this morning.(あのさ、今朝ちょっと事故っちゃってさ。)
相手にこれから自分が話すことを聞いてもらいたいときに言うことばだというのがわかる思います。
同様の表現には、Listen. や Look. などもあります。いずれも「ちょっと聞いてくれよ」とか「いいかい」というようなニュアンスで使います。これらに比べると3語もある You know what? を使うのはそれなりの話題がその後に登場することを予期させますが、上記のような状況があって何か言いたいようなときには使ってみるといいでしょう。