メジロの季節

初夏から初冬にかけてはまったく見かけないのに、年が明けて寒桜や梅の花が咲く季節になると、どこからともなく飛んできて、都心でもその姿を見かけることができる野生の小鳥がいます。それはタイトルにもある「メジロ」です。

 

メジロはスズメより一回り小さい鳥で、「ピッ、ピッ」と短く泣きながら花の蜜を求めてせわしなく飛び回っています。頭から背中を通って尻尾にかけての部分の色が“本家”のウグイスよりむしろ「うぐいす色」で、あごとお尻のあたりが黄色く、お腹には真っ白なモフモフの羽毛がはえています。そして、その名の由来になった目の周りの真っ白な部分が特徴的なので、野鳥にそれほど詳しくない人(例えば筆者)でも、一目でメジロだとわかります。

 

筆者の前任校は都心のど真ん中にありますが、毎年中庭にある寒桜の蜜を吸いに来るメジロを間近に見て楽しむことができます。たいていは1~2羽で来ますが、多いときには4~5羽を一度に見ることもあります。メジロを間近に見ることができる理由は、寒桜の木が2階の会議室の窓ガラスに枝がぶつかるほど近くに生えているためで、ちょうど2階の窓の目の前に飛んでくる彼らを真横から見ることができるのです。

 

これまでに何度も彼らの写真を撮っているのですが、下の①と②はいずれも2年前にズームレンズ付きの一眼レフカメラで同僚が撮影したものです。筆者が「メジロが来てる!」と叫んだのを聞いて、近くにいたその同僚がカメラを持ってきてくれました。メジロまでの距離はおそらく1~1.5mくらいだったと思います。

 

一方、③は3年半前に筆者がスマホで撮ったもので、親鳥(青囲み)と幼鳥3羽(赤囲み)が写っています(ピントがどうしても手前の葉に合ってしまいました)。実は、彼らの巣が窓からほんの50~60cmしか離れていない場所にあるのを知っていたので、以前からシャッター・チャンスを狙っていました。例年であれば大勢の生徒でにぎやかな中庭の木にメジロが巣を作るはずはないのですが、これを撮影した2020年の5月はコロナ禍で学校が臨時休校中だった時期で、3月からシーンと静まりかえっていた中庭の木の裏側(=校舎の窓側)が安全な場所だと判断したのでしょう。この時は教員もほとんど会議室を使っていなかったので、まさか窓から人間が観察するとは思っていなかったのだと思います。

 

筆者が今年になって初めてメジロを見かけたのは1月22日のことで、そのときに筆者が入院していた都内の大学病院の屋上庭園(昨年6月にNHKテレビ『ドキュメント72時間』でも紹介された場所で、年末スペシャルでは年間の人気投票で第5位でした)に退院日前日に遊びに行ったときに、そこにある小さな木の間を2羽のメジロが飛び回っているのを見つけました。

 

前任校の中庭でも、今頃はどこからともなくメジロが飛んできて、先生方や生徒たちの目をその可愛らしい姿で楽しませていることでしょう。みなさんも、ぜひお近くにある寒桜や梅の花が咲いたらそれををじっと見つめてみてください。きっと彼らの可愛らしい姿を見ることができると思います。(2/3/2024) 

 


 ③

 

①と②は、昨年と一昨年の2月から3月にかけてホームページの背景写真として使ったことがあるもので、今年も2月から使っています(2/20/2021 撮影)。

 

③は、赤で囲んだところに巣から出て昼寝中のメジロの幼鳥が3羽、青く囲った部分には手前の葉に隠れて腹と左足しか見えませんが、メジロの親鳥が写っています(5/11/2020 撮影)。


 

【おまけ】NHK『ドキュメント72時間』(6/30/2023 放送)でも紹介された病棟8階の屋外庭園

 ※年末スペシャルでは人気投票第5位の「大病院の屋上庭園」

病棟側からの庭園全景(南向き)

(2/9/2020 撮影)

一番奥からの庭園全景(北向き)

(2/9/2020 撮影)

中央にある季節の花のフラワーポット

(12/22/2023 撮影)