Don't get me wrong.「私にまちがいを買わないで」?

今回の表現も映画やドラマの台詞としてだけでなく、歌(特に悩みを打ち明けるような歌)の歌詞としてもよく耳にするものです。

 

ポイントは、get という動詞の使い方をマスターすることにあります。よく「get と make で英語が話せる」などと言われますが、今回のものもそのようなときに取り上げられるものです。

 

get は、筆者が中学生の頃は「得る」「買う」などという意味であると習いました。また、get up が出てくると、2語で「起きる」という意味だと習いました。ただ。そのように1つずつ覚えていたのでは get を正しく使えるようにはなりません。それはたくさんの場面でいろいろな語句と組み合わされて使われるからです。

 

get のもっとも基本的な意味は、「(〜の状態)を得る」と覚えておくといいでしょう。そうすれば、「買う」はそのまま理解できますし、get up も「up の状態を得る」、つまり「起き上がる」と理解できます。そうすると、get dark と言えば「暗くなる」という意味になることも想像できますね。

 

また、〈 get + 人 + 物〉とすれば、「(人)に(物)を得る」、つまり「あげる」という意味になります。例えば、I'll get you something. は「あなたに何かを得てあげよう」ということですから、どこからか何か(例えば食べ物)を持ってきてあげようという意味で使われているのがわかります。同じ「与える」の give よりも「準備してあげる」という意味が強く出ています。筆者が40年前に留学した際にお世話になった家主は、よく "Get me beer!"(「自分の冷蔵庫からビールを持ってきてほしい」という意味)と叫んでいました。

 

前置きが長くなりましたが、タイトルの表現は〈 get + 目的語 + 形容詞〉という形になっています。そこから考えると、「me に wrong の状態を得る」、つまり「 me を wrong の状態にする」という意味になります。「私をまちがった状態にする」とは、「私のことをまちがって扱う」、つまり「私のことを勘違いする」ということです。

 

したがって、Don't get me wrong. とは「私のことを勘違いしないでほしい」という意味であることがわかります。

 

使う場面をまちがえると必要以上に相手との間に緊張感を生んでしまう表現ですが、上手に使えばあなたの気持ちをきちんと伝えられるでしょう。

 

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