シンは新で真にあらず

まず、今回のタイトルは「シンは新(しん)で真(しん)にあらず」と読みます。これでピンと来た人もいるのと思いますが、「シン」とは「シン・ゴジラ」、「シン・エヴァンゲリオン」、「シン・ウルトラマン」、「シン・仮面ライダー」などの作品のタイトルに使われている“シン”のことです。

 

これらの作品の中で、私と同世代の“テレビっ子”であれば、「シン・ウルトラマン」と「シン・仮面ライダー」に特に関心があるのではないでしょうか。後者はまだ公開されていないので(今年の3月公開予定)、ここでは実際に見た前者について話したいと思います。

 

この作品には公開当初から賛否両論がありました。「賛」の方は、新しい技術を使いつつもオリジナル作品と同じ「登場怪獣・宇宙人」を出したり、音楽や効果音を使っていたことに対してのものが多かったようです。一方の「否」の方は、CGを駆使して見栄えが良くなったことの犠牲として、オリジナルの野暮ったさ(ウルトラマンや怪獣が着ぐるみであること)がなくなってしまったことを指摘する声が多かったようです。

 

実は、筆者も上記の後者の一人で、55年前に毎週ワクワクして見ていたあの感動が、画面の“格好良さ”でかえって感じられなくなってしまったように思います。半世紀以上も経って、新しいファンを掘り起こしたいとか、いまさら昔のような手間のかかる作品は作れないという事情もあったと思うのですが…。

 

同じく放送開始55周年で新たに作成された「サンダーバード」は、当時とまったく同じ手法で撮影されたと聞きます(筆者は未見)。同作品もアニメ版やCG版があり、それらがオリジナルのファンから不評であったことから、新たな作品は昔と同じ手法で作ったのでしょう。

 

新しいウルトラマンは、オリジナル作品へのオマージュと思しき箇所が随所に見られるとても良くできた作品はでしたが、同時に少しばかり残念な作品でもありました。同じ制作陣が作る新しい仮面ライダーもきっと同じテイストなのでしょうね。(1/21/2023)

 

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