Right with you.「あなたと一緒に右へ」?

この表現は、right という単語の使い方がかぎです。タイトル文は正確には "I'll be right with you." と言いますが、そう言えばわかりやすくなったのではないでしょうか。

 

そうです。この right はよく使われる「右の」や「正しい」という意味の形容詞ではなく、「まさに~」のようにその後に来る表現を強める役割の副詞として使われています。just(ちょうど~)などと同じ働きの語です。後ろに来る表現としては、形容詞、副詞、前置詞句などがあります。タイトルの文では with you という前置詞句にかかっています。

 

したがって、タイトルの表現は「私はまさにあなたと一緒にいるでしょう」という意味であり、「一緒にいるから心配しないでね」と言いたいときに使う表現です。筆者とそれほど年齢の変わらない人でしたら、1982年の大ヒット映画『E.T.』(E.T. The Extra-Terrestrial)で、E.T.が地球を去るときに仲良しのエリオット少年のおでこをさして "I'll be right here." と言う台詞を覚えているでしょう。この場合は、here という形容詞を強める働きを持っています。

 

さて、冒頭で述べたとおり、タイトルの表現は普通に言えばそのまま "I'll be right with you." で、このフルセンテンスもよく耳にしますが、誰かが急いで出かけようとしていて「僕(私)も行くよ」と素早く言いたい場面などでは "I'll be" の部分が省略された表現をよく耳にします。

 

主語や動詞のことを気にせずにサッと「ぼくも一緒に行くよ」と言いたいときにはとても便利な表現です。使ってみてはいかがでしょうか。

 

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