春の訪れを告げる鳥たち

筆者が住んでいる埼玉では本格的な春の訪れを感じる頃となりました。先日は都心の桜の開花宣言が出され、一昨日は隅田川沿いの桜が3~5分咲きだとニュースで伝えられていました。都心にある筆者の勤務校にも正門横や講堂横に桜の木が数本あり、毎年見事な花を咲かせてくれますが、同じ日の時点ではまだそれほど花は開いていなかったように思います(気がつかなかっただけか?)。週明けには満開に近い花を楽しむことができるでしょう。そうするといよいよ春本番という感じがしてきます。

 

ただ、春の訪れを感じさせるのは、実際にはもう少し早い時期のことです。冬の寒さがゆるんでくることでもそれを感じることができますが、筆者にとってそれを明確に感じるのは、春にやってくる鳥たちです。具体的には、メジロとシジュウカラです。いずれもスズメくらいの大きさのかわいらしい鳥です。筆者は、子供の頃に親戚からもらったジュウシマツを飼っていたこともあり、小さな鳥には愛着があります。

 

メジロは目を楽しませてくれます。筆者の勤務校には中庭に寒桜の木があるのですが、毎年その花が咲くとメジロが花の蜜を吸いにやってきます。今年は2月の最終週でした。たいていは1羽か2羽でやって来ますが、過去には5羽も一度に目撃したことがあります。この寒桜の木が校舎の2階の窓をふさぐような位置に花を咲かせているので、蜜を吸いにやってくるメジロを目の前で見ることができるのです。そおっと覗くと、1メートルくらい(近いときには50センチくらい)先にいるメジロを観察することができます。ウグイス色の身体に名前のとおりに目の周りが白い可愛らしい姿を楽しめます。

 

シジュウカラは声で春を知らせてくれます。小さな鳥から発せられているとは思えないほど大きな声で「ピキ、ピキ、ピキ」と鳴いて存在を伝えます。今年はそれを3月第一週の早朝に聞きました。シジュウカラというと、夏に山や高原を歩いているとよく耳にする声という印象がありましたが、最近は都会でもよく耳にするようになりました。先週日曜日のNHKテレビ『ダーウィンが来た!』でもシジュウカラが取り上げられていましたが、なんと複数の鳴き声を組み合わせて、複雑な意味を伝えるコミュニケーションを仲間同士でしていることがわかったそうです。

 

もう少し先になると、今度はウグイスの鳴き声も聞こえてくるでしょう。都会に住むウグイスは、仲間が少ないためか泣き方があまり上手でないこともあります。しかし、筆者の住んでいる埼玉の住宅地ではほとんど見ることも聞くこともできなくなってしまった鳥たちの姿や鳴き声を都心では楽しむことができるという、なんとも不思議な現象を毎年楽しんでいます。(3/21/2020)

 

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