「~のように」の like の使い方

【質問】

4月号の60ページのエリックのセリフに出てくる like Ashley's family は「アシュリー一家のように」と訳されていますが、「アシュリーの家族を好きだ」という意味にはならないのでしょうか。

 

【回答】

I like .... という表現を小学校の外国語活動や中学校1年生の英語の授業で何度も使ってきたみなさんには、like は「~が好き」という意味であると刷り込まれていると思います。しかし、like にはもう1つ大切な意味があり、それが「~のように」というものです。 ご質問のあった部分(Eric(Dad)の台詞)を振り返ってみましょう。

 

And the neighbors, like Ashley's family, are very friendly.

 

ここでは「アシュリー一家のように近所の人たちもとても友好的だね。」という意味で使われています。ここを「アシュリー一家を好きだ」と解釈してしまうと、この英文の正しい意味がつかめなくなります。では、どうやってこの文の正しい意味を理解したらいいでしょうか。

 

like が「~が好き」という意味で使われる場合は、like はその文の中で動詞として用いられています。ところが、上の文には are という動詞があるので、ここで使われている like を動詞の意味に解釈しようとすると英文の意味がまったくわからなくなってしまいます。しかも、like Ashley's family は両側にカンマがあるので、この部分が無くても英文が成り立つ挿入句であることがわかります。つまり、上の文は元々次のような文なのです。

 

And the neighbors are very friendly.

 

したがって、like Ashley's family は the neighbors を修飾する表現として後から付け加えられた表現ということになります。そのような表現ですから、「~が好き」というような動詞の意味のものとして挿入されると、元の英文の意味を壊してしまいます。

 

なお、ここで使われている like の品詞は前置詞で(形容詞や副詞という考え方もあります)、上の文の他には次のような使い方があります。

 

① He is like his father.   彼はお父さんに似ている。

② He looks like his father.  彼は(外見や雰囲気が)お父さんに似ている。

 

①、②ともに like を「~のように」ではなく、日本語としてより自然な「~に似ている」と訳しています。

 

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