【質問】
interesting と interested のちがいは何ですか?
【解答】
今回の2つの単語の使い方のちがいは、生徒がテスト等でよくまちがえて書くので取り上げました。明確には意識していないが結果的によくわかっていない事例の1つとして取り上げます。
さて、生徒がよくまちがえて書く英文の例として次のようなものがあります。なお、英文の前に付いている「×」はその英文が伝えたい意味を伝えられないということを示すマークです。また、( )は伝えたかった意味です。
(1) interesting と interested
① ×I am interesting in baseball.(野球に興味がある)
② ×The movie was interested.(野球は面白い)
(2) exciting と excited
① ×I am exciting to see the game.(その試合を見て興奮している)
② ×The game was excited.(その試合は興奮した)
(3) tiring と tired
① ×I am tiring.(私は疲れている)
② ×The outing was tired.(遠足は疲れた)
上記の6文は生徒の作文(スピーチ原稿や定期テストの解答)によく見られるミスです。学年が進むにつれてミスは少なくなっていきますが、1年生の頃にはそこそこの数を見かけます。どうしてこういうミスが起こるのでしょうか。もし読者の方が同じようなミスをしているようでしたら、ぜひ本稿をお読みになってください。
念のために言っておくと、上記の6文は非文(正しい英文として存在しない文)というわけではありません。ただし、ほぼありえない状況(特に②)として次のような意味を相手に伝えることになります。
(1) ① 私は野球において面白い(人間である)。
② その映画は興味を持っていた。
(2) ① 私はその試合を見るのに(相手を)興奮させる(人間である)。
② その試合は興奮していた。
(3) ① 私は(相手を)疲れさせる(人間である)。
② 遠足は疲れていた。
1. まちがえてしまう理由
(1) 日本語の意味に惑わされている
上記の(1)~(3)の①と②に共通することは、太字の部分が①では "-ing" で、②では "-ed" であることですね。動詞のing形が進行形の文に使われることからその部分の意味が「~している」、動詞の -ed 形が過去の文で使われることからその部分の意味が「~した」という意味だと考えがちです。しかし、そう単純に思ってしまってはまちがえてしまいます。①の「~している」を表す現在の状態は "is" で表されているのであり、②の「~した」の過去の状態は "was" で表されています。したがって、"-ing" の語と "-ed" の語を日本語の表面的な意味で選んではいけません。
(2) 元の動詞の意味を理解していない
そもそも(1)~(3)で使われている太字の部分の原形の語はどういう意味なのでしょうか。よくかんちがいされている意味は次のとおりです。
・interest…×「興味がある」
・excite…×「興奮する」
・tire…×「疲れる」
つまり、自分の立場で「~する」という意味だと思っているということですね。しかし、本当の意味は次のとおりです。
・interest…「興味を持たせる」
・excite…「興奮させる」
・tire…「疲れさせる」
つまり、「~させる」という使役の意味があるのです。そして、このような意味がある動詞のみがこのような2種類の使い方をされるのです。
2. 正しい理解への解釈
(1) 元々は動詞で、現状の形の働きは形容詞
太字の語は "-ing" や "-ed" が付いていることから、元々は「動詞」であるということがわかります。1.(2)で紹介している各語の意味からもそれがわかります。しかし、それに "-ing" や "-ed" が付いて上記のように使われると、もはや動詞ではなく「形容詞」と同じ働きをする語になります。正確には前者を「現在分詞」、後者を「過去分詞」と呼びますが、be動詞が直前にあることからもわかるとおり、働きとしては形容詞と同じです。したがって、いずれも「~のような」「~の状態の」という意味になります。
(2) "-ing" は「~させている」、"-ed" は「~させられている」
まず、動詞に "-ing" が付くと「~している」という意味になるので、interest, excite, tire に "-ing" が付くとそれぞれ「興味を持たせている」、「興奮させている」、「疲れさせている」という意味になります。そして、それが「興味を持たせるような」、「興奮させるような」、「疲れさせるような」という形容詞のいみになります。したがって、それらの語に対して主語として使うことができるのは、そういうことをさせる対象物の方になります。これらの文では人は「させられている」方の立場ですから、主語にはなりません。
・The movie was interesting.
・The game was exciting.
・The outing was tiring.
一方、動詞に "-ed" が付いた形には過去形と過去分詞の2つがあります。この場合は(1)でも紹介した「過去分詞」です。過去分詞は「~される」という受け身の意味を動詞に持たせるので、interest, excite, tire に "-ed" が付くと「興味を持たされている」、「興奮させられている」、「疲れさせられている」という意味になります。これらも "-ing” と同じく形容詞と同じ働きで使われます。これらの文では「~されている」のは人の方ですから、こららの文の主語は人となります。
・I am interested in baseball.
・I am excited to see the game.
・I am tired.
3. まとめ
以上のことから、これらの文で "-ing" と "-ed" を正しく使い分けるには、次のようなことを頭に入れておいてください。
・動詞の中には「~させる」という意味のものがある。
・上記の動詞の "-ing" は「~させるような」という意味があり、それを「~している」物が主語になることが多い。
・上記の動詞の "-ed" は「~させられている」という意味があり、結果としてそれを「させられている」人が主語になることが多い。