お大事に、どうぞ~。

大変なことになってきましたね。都知事の「平日はできるだけ自宅で仕事を」という要請で、都心にある筆者の学校でも春休みに予定していた臨時会議がキャンセルされ、4月以降のスケジュールも未定のままとなっています。都内の新型コロナウィルス患者数の今後の推移によっては、いつ学校を再開させられるのかがわからなくなってしまうかもしれません。

 

そんな中で、しばらく落ち着いていたぜんそくが花粉症のせいで悪化してしまったので(毎年3月末頃が花粉症のピークです)、昨日、自宅近くの病院の呼吸器科を受診してきました。そのときにふと思ったことを今日は記したいと思います。

 

もう10年、いや20年くらい前でしょうか。行く先々の病院や薬局の会計で、若い事務員・局員さんを中心に「お大事に、どうぞ~」という表現をよく聞くようになり、いつの間にかそれが一般的になってきた感じがします。ただ、筆者には今でもそれを奇異に思う感覚があり、毎回気になっています。昨日も、病院の会計で40代くらいに見える女性が使っていて気になりました。逆に、ずっと気になっていた薬局の方が「どうぞお大事に」という表現に戻っていてホッとしました。

 

「どうぞお大事に」は「どうぞお大事になさってください」の省略形です。ですから、「お大事に、どうぞ~」は「お大事になさってください、どうぞ」となるので、やはり変です。おそらく、「どうぞ」を後ろに持ってきて、さらに「~」と語尾を延ばすと、やわらかい感じがするので、特に若い人は自分より年上の人に使いやすいのでしょうね。あるいは、英語で文末に付け加えるように "..., please." と言うことが、日本語に転化されてしまったのかもしれません。いずれにしろ、「それっておかしいよ」ということに気づいてほしいものです。

 

ことばの使い方については、これからも本ページではできるだけ「正しい」ものを提供することにこだわりたいと思っています。もちろん、うっかりまちがって使ってしまったというミス(slip)までをあげつらうつもりはありません。あくまでももう少し程度の大きなミス(mistake や error)のないものを目指すということです。もっとも、そのためには筆者の日本語と英語の使い方の稚拙さや誤字・脱字は棚に上げなければならないのですが…。 (3/28/2020)

 

「つぶやき」目次に戻る