♪い~ま~はあき~♪?

タイトルを見て何のことかがわかった方は、筆者と同世代(50代)以上の人でしょうね(笑)。「えっ?何のことかさっぱりわからない?」ですか? これはですね、松田聖子の『風立ちぬ』という大ヒット曲の出だしのフレーズです。「風立ちぬ 今は秋」です。♪か・ぜ・たち~ぬ~、い~ま~はあき~♪と歌います。

 

ちなみに、「風立ちぬ」の「ぬ」は、英語にはあって現代の日本語にはないとされている完了を表すことばです。つまり、出だしのフレーズは「ちょうど風が吹いた(吹いてしまった)。だから今はもう秋である」という意味になります。秋のさわやかな風がほほにあたっていることがイメージできますね。

 

感覚的には「なつ~はきぬ~(夏は来ぬ)」(これまたなつかしい…)ですが、暦の上では「立秋」をとっくに過ぎてしまっています。また、来週からは夏休み明けの授業が始まる学校もあるようなので、秋の話をしたいところではあります。しかし、実際にはまだ当分は残暑が続きそうなので、夏っぽい話をしたいと思います。

 

今回は、もう1つ開設している仕事関係のホームページとのコラボ企画です…。いえ、実は書くことが思い浮かばなかったので(汗)、以下にそちらの「つぶやき」と同じ内容を載せます。こちらの約1年前の「22. 秋の訪れを感じさせるもの」の姉妹編だと思ってお読みください。

 

もう10年くらい、いやもっと前の話だったでしょうか。新聞の社会面に兵庫県の教員採用試験中に起こったあるできごとについての記事が載っていました。それは、英語の試験の最中に虫の鳴き声がうるさくて、リスニング問題が聞こえなかったというクレームが相次ぎ、結局はリスニング問題の得点を合否判定からはずすことになったというものでした。

 

関東以西の人にはすぐになんのことかがわかると思いますが、東京より北に住んでいる人にとっては「?」かもしれません。犯人は「クマゼミ」です。昆虫図鑑では「日本で一番大きいセミで、『シュワシュワ』と鳴く」と紹介されています。

 

そのクマゼミの鳴き声がなぜリスニングを妨害するほどになるのかと言うと、実はその声の大きさよりも1本の木にいる数が問題なのです。筆者が初めてその洗礼を受けたのは、20年以上前に大阪で開かれた学会に行ったときでした。大阪城公園のすぐとなりにあるホテルに泊まったところ、翌朝はセミの"大合唱"がうるさくて5時前に目がさめ、それからはその騒音で眠れなくなりました。

 

関東の人にとっては、セミはたいてい1本の木に1~2匹いるくらいという印象がありますが、大阪あたりの木にはクマゼミが1本の木に数十匹いることはザラで、大きな木になると数百匹ということもあります。驚くべきは、数年前にNHKの朝のニュースで女性レポーターが「この木にはだいたい3,000匹のセミがいます」と言っていたことです。つまり、野菜や果物の幹にたかっているアブラムシのように木の幹や枝にセミがたかっているのです。これだけの数のセミに一斉に鳴かれたら、それはもう"騒音公害"です。

 

幸いにも、そのクマゼミはまだ関東の東京以北では繁殖していません。ただ、埼玉県の南部あたりまでは単独の鳴き声を聞くことはときどきあり、温暖化が急激に進んでいる状況では今後増えるのではないかと予想しています。虫好きの子供(筆者もそうです)にとっては新しい採集対象となりえますが、増えすぎると悩みの種にもなりますね。

 

そんな1年振りの昆虫の話でした。(8/15/2020)

 

「つぶやき」メニューに戻る

「ホーム」に戻る