Hybrid

「ハイブリッド」。辞書を引くと「雑種」「混成物」などの和訳が出てきますが、通常は異なった複数の有用なものを組み合わせて1つのシステムにしたものを表すことばですね。ここでは自動車を動かすシステムのことを指していますが、ガソリン代が急騰していることを考えると、現時点では無くてはならない存在です。実際に、ハイブリッド車がラインナップされている車種では、購入者の過半数がそれを選んでいるようです。

       

筆者も、2001年から13年間乗っていたミニバン(2,300cc)をそろそろ買い替えようと思っていたとときに、新車で買い替えるならハイブリッド車にしようと決めていました。そしてちょうどそのときに流行りのSUVタイプのモデル(ヴェゼル)がホンダから新しく発売されたので、2014年の1月に契約して、6月にそれが納車されました。

 

さて、現時点でハイブリッドには大きく3つのタイプがあります。1つはあくまでも主体はエンジンでモーターがそれをアシストするタイプ。1つはエンジンとモーターを走行シーンで使い分けるタイプ。そしてもう1つはエンジンは発電用でその電気を使ってモーターで走るタイプです。筆者の車は2つ目のタイプで、ホンダとしては2代目のハイブリッドとなる「iDCD」というシステムです。

 

このシステムにはいくつかの段階別の働きがありますが、それをエネルギーを使わない順に紹介します。

 

① 回生ブレーキ…走行中にアクセルを放した状態。モーターを逆回転させる力を利用して(モーターを発電機にして)バッテリーの充電を行う。ブレーキを踏むとさらに充電力が高まる。

 

② モーター走行…モーターのみの力で走行する状態。バッテリーが一定以上(3/6以上)充電されているときのみ可能。ただし、モーターの出力が小さいので、少し強めの負荷をかけるとすぐにエンジンが動き出す。

 

③ エンジン走行+バッテリー充電…エンジンで走りながら同時に充電を行う状態。アクセルを軽く踏むとこの状態になるので、走行中に充電したいときに用いる。ただし、バッテリーが5/6以上あるとこの状態にはならない。

 

④ エンジン走行…エンジンの力だけで走行する状態。アクセルを少し強く踏むとこの状態になるので、少し強い加速をしたいときに用いる。高速では常にこの状態になる。

 

⑤ エンジン走行+モーター支援…エンジンの力にモーターの力を追加して走行する状態。アクセルを強く踏むとこの状態になるので、急加速したいときや上り坂を素早く登りたいときに用いる。

 

使い始めて驚いたのは、やはり燃費の良さですね。買い物などのチョイ乗りで15~18km/l前後、車の少い道でそこそこの距離を走ると23~25km/l前後、長距離を走ると28~30km/lまで延びることもあります。前のミニバンのときは通常使用で7~8km/l、長距離を走っても10〜12kmくらいでしたから、その差は歴然としています。ただし、バッテリーを多く消費するエアコンを使う夏場や冬場は、上記から2〜3割くらい燃費が落ちますが…。

 

当然、ガソリンを入れる頻度も大幅に少なくなりました。一時期通勤に使わなかったことがあったのですが、そのときは年に3回しか給油しませんでした。ガソリン・タンクは40リットルなので、通勤が主なときでも1回の給油で800km以上走ることができます。

 

次に嬉しいのが、いざというときのパワーですね。特に坂道を登っているときにアクセルを深く踏むと、グーンっと前に押し出されるように進んでくれるのは大変ありがたいです。40年近く前に乗っていたターボ車(ホンダ シティ)のような爽快感があります。

 

それから、気分的にも良いのが「回生ブレーキ」です。アクセルから足を放したりブレーキを踏んだりすると、モーターの回転負荷を利用してブレーキをかけるとともに充電もするという機構です。新幹線の車両にはかなり前から使われているシステムですが、これまでブレーキをかけるたびに熱エネルギーとして捨ててしまっていたものを、電気エネルギーとして貯めて再利用しようという、環境に優しいシステムです。

 

今のところ、価格が高い(同じグレードならガソリン車より約30万円割高)くらいしかマイナス面のないハイブリッド車ですが、忘れてはならないことが1つあります。それはハイブリッドシステムを製造する際に使われるエネルギーと排出される二酸化炭素、そしてバッテリーを廃棄する際に出る廃棄物です。そこまで考えた上でハイブリッド車を購入するかどうかを決める必要があると思います。

 

現在乗っているハイブリッド車も購入後10年目に入りました。走行距離も少なくバッテリーもまだそこそこ生きているので、少なくともあと1回は車検をとるつもりです。その後の車を何にするかは決まっていませんが、おそらくさらに進歩したハイブリッド車にすることはまちがいないでしょう。(10/14/2023)

 

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