Strange New World

本記事のタイトルを "Strange new world" ではなく "Strange New World" としたのは、これが「奇妙な新しい世界」を意味する普通名詞ではなく、何かの題名を表しているからです。それは、『スター・トレック:ストレンジ・ニュー・ワールド』(STAR TREK: Strange New World。略称:ST:SNW)というドラマのタイトルです。

 

以前にも何度かふれたことがありますが、『スター・トレック』(以下、"ST")は筆者の大好きなSF作品です。1966年から脈々と続くアメリカ製のドラマ&映画で、世界中で大人気のシリーズなのです。しかし、なぜか日本では知名度があまり高くありません。おそらくこれを読んでいる方の多くも、「『スター・ウォーズ』は知っているけど、『スター・トレック』は知らない」とおっしゃるのではないでしょうか。

 

改めて説明すると、同ドラマ・シリーズは22世紀〜24世紀の人類の未来を描いた作品で、そこが『スター・ウォーズ』などの架空の惑星を舞台にした作品と決定的にちがう点です。原作者のジーン・ロッデンベリーが、人類の未来はこうあってほしいという理想の姿を、現代の社会問題をモチーフにして描いた作品です。ドラマ版がこれまでに10作品(計約800話)、映画が13本作られています(下の作品一覧参照)。

 

さて、そのドラマ版の最新作が ST:SNW で、2022年から始まったものです。残念ながら地上波では放送されておらず、ネットでしか見ることができません。日本では WOWOW で見ることができます。

 

10年以上のブランクを挟んで2017年から始まった2つのシリーズ(『ディスカバリー』と『ピカード』)は、全体またはシーズンを通した1つの話になっているのですが、ST:SNW はそれ以前のシリーズのように1話ごとに異った内容になっています。また、『ディスカバリー』ほど話が複雑ではないので、昔のシリーズのように取っつきやすい感じがします。このあたりは昔からのファンの希望に沿ったものなのでしょう。

 

最新の映像技術を使って以前であれば映画でなければ現せなかった質の高い映像を実現し、現代的でよく考えられたシナリオによって大人の鑑賞に耐えられるストーリーが展開されています。筆者は、これまでは『新スター・トレック』(1987−94)が一番だと思っていましたが、総合的にはそれを凌駕した作品になっているように思います。

 

『スター・トレック』を未見の人には少しハードルが高いかもしれませんが(以前からのファンを意識した人物設定や状況設定があるため)、各エピソードは現代社会の抱える問題点をモチーフにしていることが多いので、そういう視点で見て貰えれば各話に着いていくことは難しくないでしょう。

 

お勧めのドラマです。機会があったらぜひご覧になってみてください。(3/16/2024)

 

【参考】スター・トレック作品一覧 

同シリーズにはこれまでに以下の作品があります。

 

(1) ドラマ版

①『宇宙大作戦』(スター・トレック)(1966-69)

②『マンガ宇宙大作戦』(1973-74)※①のアニメ

→以上、23世紀が舞台

 

③『新スター・トレック』(1987-94)

④『スター・トレック:ディープ・スペース・ナイン』(1993-99)

⑤『スター・トレック:ヴォイジャー』(1994-2001)

→以上、24世紀が舞台。④⑤は③のスピンオフ

 

⑥『スター・トレック:エンタープライズ』(2001-05)

→22世紀が舞台。①〜⑤の前提となる話

 

⑦『スター・トレック:ディスカバリー』(2017-)

→①の10年前という設定。①の登場人物の何人かが新俳優で登場

 

⑧『スター・トレック:ローワー・デッキ』(2020-)※アニメ

⑨『スター・トレック:ピカード』(2020-23)

→以上、24世紀が舞台。③〜⑤の後日譚

 

⑩『スター・トレック:ストレンジ・ニュー・ワールド』(2022-)

→①の前日譚。①の登場人物の多くが新俳優で登場

 

(2) 映画版

①『スター・トレック』(1978)

②『スター・トレック2  カーンの逆襲』(1982)

『スター・トレック3  ミスター・スポックを探せ!』(1984)

『スター・トレック4  故郷への長い旅』(1986)

『スター・トレック5  新たなる未知へ』(1989)

『スター・トレック6  未知の世界』(1991)

※以上が『宇宙大作戦』の登場人物が主役の作品

 

『スター・トレック  ジェネレーション(1994)

※『宇宙大作戦』と『新スター・トレック』をつなぐ作品。両方の登場人物が主役

 

『スター・トレック  ファースト・コンタクト』(1996)

『スター・トレック  叛乱』(1998)

『STX:ネメシス』(2002)

※以上が『新スター・トレック』の登場人物が主役の作品

 

⑪『スター・トレック』(2009)

⑫『スター・トレック  イントゥー・ダークネス』(2013)

⑬『スター・トレック  BEYOND』(2016)

※以上が『宇宙大作戦』の登場人物を新たな俳優たちでリブートした作品

 

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