everyone は単数扱いか複数扱いか

【質問】

4月号32ページの会話文で、Well, I guess everyone likes this house! とありますが、どうして like に s が付くのですか。教えてください。

 

【回答】

ご質問の意図は、「主語が『みんな』と複数を表す語なのに、なぜ動詞に三人称単数現在の -s が付くのか?」ということだと思います。これは多くの学習者が疑問に思うことであり、私自身も中学生のときにそう思った一人でした。

 

実は、主語の everyone は日本語の意味からすると複数のものを表すように見えますが、英語の意味では単数扱いなのです。そして、それは every が持っている元々の意味から来ています。辞書で every を引いてみると、「どの~もみな」とか「すべての」という意味と共に「単数扱いをする」という用法の説明があると思います。その理由は、every には「個々のものに目を向けた上で全体を表す」という意味があるからです。つまり、everyone は一人一人に目を向けた上で全員を表すときに使うわけです。ですから、授業で先生が "Hello, everyone!" と言うときは、生徒一人一人に語りかけているということになります。

 

このことは、every day(毎日)や every little thing(すべての小さな物)などの表現を見るとさらによくわかります。これらは「毎~」や「すべての~」という複数を表す表現なのに、day や thing は複数形になっていません。

 

なお、everyone を代名詞に言い換えるときは注意が必要です。辞書などで例文を探すと、次のような言い換えの例が出てきます。

 

① Everyone in this class has his or her own dream. 

② Everyone likes their teacher, don't they?

③ Will everyone come here tomorrow?  Yes, they will.

 

①では、everyone の表す内容としてかなり個人が意識されています。また、everyone の中には男性も女性もいそうですし、その人達を単数で表さなければなりません。したがって、代名詞に言い換える場合は he or she(主語の場合)、his or her(所有格の場合)、him or her(目的語の場合)などとします。

 

一方、everyone の対象として個人よりも集団全体が意識されている場合は、それぞれ they, their, them とすることがあります。特に、②の付加疑問文や③の質問に対する答えの場合は、they を使うのがふつうです。

 

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