都心に思わぬモフモフ

当初は「生徒のいない静かな学校で…」というタイトルで書こうと構想していたのですが、内容を考えてより一般的な感じがするタイトルに変えてみました。

 

実は先日、遠隔授業の方法の1つとして筆者の勤務校で採用している「ロイロノート・スクール」(「39. ずーむいろいろ」参照)の教材作成のために、2階の会議室にあるコピー機でPDFファイルやJPEGファイルを作っている最中にふと目を窓の外に向けると、中庭に面した窓ガラスを覆い被すように茂っているキンモクセイの木の中に何か動くものを見つけました。窓から1メートルほど先の葉っぱにほぼ覆い隠されている枝の上にいたのは、春にすぐとなりにある寒桜の花の蜜をよく吸いに来るメジロでした(「35. 春の訪れを告げる鳥たち」参照)。

 

「へえ、この時期には珍しいな…。これは写真でも撮っておこう…」と思って急いでスマホを準備室から持って来ると、幸いにもそのメジロはまだ同じ場所にいました。ただ、手前の葉っぱが邪魔でなかなかうまく撮れません。そこでいろいろな角度を試して身体を上下左右に動かしていると、そのメジロのすぐ左下の枝に何やらメジロと同じ色をした小さなモフモフが3つ並んで見えました。当初はそれが何だかわからなかったのですが、よくよく目を凝らして見てみると、その正体はメジロの幼鳥だったのです。

 

どうやら3匹とも巣立ったばかりのようで、大きさは成鳥より少し小振りですが、羽はすべて生えそろっていました。3羽はピタッとくっついたまま昼寝をしていて、親鳥のそばで安心しているのか、ビクとも動きません。なんとまあ、かわいいことか。しばらくすると、もう1羽の親鳥がエサを運んで来て、3匹は目を覚ましてエサをねだり始めました。彼らと自分の間に葉が生い茂っているので、ほんの1メートルほどしかはなれていないのに、あちらは私に気がつかないようです。作業をしながらしばらくの間モフモフたちをながめていましたが、再びその場所に戻ってきたときにはもうその姿はありませんでした。

 

本来ならそんな場所にいるはずのない彼らですが、どうやら中庭で遊ぶ生徒たちのにぎやかな声が2ヶ月余りも聞こえないために、その木の中に営巣していたようなのです。世界各地で新型コロナウィルス感染防止のために人がいなくなった都会に野生動物が出てきているという話を聞きますが、都心でも同じようなことが起こっているのかもしれないと思いました。

 

えっ? 撮った写真を見たいって? そうですよね。では、ここまで辛抱強く読んでいただいた方へのプレゼントして、その時に撮った写真をこの下にアップしておきます(残念ながら鳥にピントが合っていません…汗)。3羽の幼鳥とその右上に葉っぱに隠れた親鳥のお腹の一部が見えています。かわいいでしょ?なお、この写真のようにメジロはよく横にくっついて並ぶ習性があるらしく、その様から「目白押し」ということばがあるそうです(Wikipedia より)。へえ~。(5/16/2020)

 

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