今回の表現は本当によく耳にします。ちょっと思い浮かべただけでも、「あの映画のこの場面で使っていた」ということが複数浮かんできます。ただ、その台詞が使われる場面も使う人の口調も様々です。それはつまり、この表現がいろいろな意味で使われるということでもあります。
I'll get it. を直訳すると、タイトルのような意味になります。ただ、get ほど多くの連語を形成する動詞も他にないくらいですから、これを単に最も基本的な意味である「~を得る」に限定して解釈するとこの文の持つ意味はつかめないでしょう。また、「それ」という意味のある it も、そもそも「それ」が指すものがこの文だけはわかりませんから、この台詞の前にある状況が何であるかでいろいろな解釈ができるはずです。いずれも広い意味で使われる get と it を合わせた get it はさらに広い意味で使われそうですね。
そこで、この表現が使われる典型的な場面を、直前の台詞または状況と共に見ていきましょう。
① (電話が鳴っている)
A: Well, I'll get it.(ああ、私が出るよ)
② (ドアのチャイムが鳴っている)
A: Can anyone open the door for me?
B:(他の人に)I'll get it.(私がやるよ)
※相手に対してなら、I'm coming. と言うこともあります。
他にもいろいろ場面で使われていますが、ようするに get it は「それをやってあげる」という場面で使われる表現だということがわかります。
もちろん、タイトルにもう少し近い意味で使われることもあります。例えば…
③ He doesn't know what to do now , but he'll get it some day.
(彼は今はどうしていいかわかっていないが、いつかわかるだろう)
④ You don't get it, do you?
(あなたはわかっていないじゃないか)
この場合は、get it は「それを理解する」という意味で使われています。
以上のことから、get it は「それを~する」という意味で広く使われます。この「~する」には「行う」「理解する」の他に、「完成する」「やり遂げる」などの「完遂する」という意味を含んだ表現として使われることが多いようです。
非常の多くの場面で使われる表現ですが、「電話に出る」「やってあげる」などから使い始めてみるのがいいと思いますので、ぜひ積極的に使ってみてください。