I like the sound of that.「私はあれの音が好き」?

この表現の直訳は「私はあれの音が好き」で、そのままでも本来の使い方を想像できなくはないのですが、もう少し詳しく見ていきましょう。

 

まずは like です。中学校では「好き」と習いますが、どちらかと言うと「気に入っている」という意味にした方が使い方の範囲が広がります。過去形の liked は「好きだった」よりも「気に入った」という意味で使われる方が多いです。次に sound です。タイトルでは「音」としましたが、これを「響き」としてみましょう。次に that とです。中学校で「あれ」と習ったと思いますが、that は「あれ」というよりは手元にないものやすでに話題に上ったことを指します。つまり、ここでは「それ」とした方がいいでしょう。

 

そうするとこの文は、「私はそれの響きが気に入っている」となります。もしこれが会話中の表現であるとすれば、相手の発言に対して「それはいいねえ」と賛同の意志を伝える表現であることがわかります。

 

A: I'm planning to go to see a movie this weekend.  Would you like to come?

B: I like the sound of that!

 

気をつけたいのは、sound という語を使っているからには誰かの実際の発言を聞いてその返事として言っているということです。いくら相手の意向に賛同するつもりがあっても、それがないうちにこの表現を言うことはできませんし、何かを見たり読んだりして得た情報に対して言うこともできませんので、注意してください。 

 

一方、この表現の否定形もよく耳にします。

 

A: Mr. Tanaka is planning to do the same experience as yours.

B: I don't like the sound of that.

 

「タナカ氏があたなと同じ実験をやろうとしている」という情報を聞いて不快感を表しているという場面ですが、この場合は「それはいやだな/気に入らないな」ほどの意味になります。

 

いずれもいろいろな場面で耳にすることができますので、比較的カジュアルな場面では積極的に使ってみるといいと思います。

 

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