この表現は、度々話題に出している『新スター・トレック』(Star Trek: The Next Generation)を字幕無しで見ていたときに聞こえてきて気になったのが最初の出会い(?)でした。登場人物の一人が何かを提案したときに、別の一人が "You're buying." と言い、残りの登場人物がみんな微笑んでいました。「あなたは買っている」とはどういうことなのか?ビデオを少し戻して日本語字幕を出して確認したのは言うまでもありません。
さて、今回は結論から入りましょう。件の字幕を見たところ、「君のおごりだ。」とありました。「君のおごりだ」という表現は It's on you. と言うのは知っていたので、ここで別の表現に出逢えたわけです。「このドラマは今から300年以上も先の24世紀後半の話なので、今はまだ使われていない表現かもしれない」と思って調べて見ると、決してそんなことはありませんした(もしそうだったとしたら、見ている人が理解できませんね…汗)。
ここであることを思い出しました。そう言えば、以前に見た映画やドラマの中で "I'm buying." や "It's on me." という表現を耳にしたことがありました。前者の表現としては、どこかのバーのカウンターで登場人物の一人が他の人に言っているシーンが思い浮かびます。こちらは「ぼくのおごりだ」と相手につぶやくシーンですね。一方、後者の表現はその場にいる人みんなに聞こえるように "It's on me!" と大きな声で言っているシーンが思い浮かびます。「今日はぼくのおごりだ。盛大に飲んでくれ」というような意図で使われていたように思います。もしかしたら、"It's all on me!" と言っていたかもしれません。この場合の it は「請求書」あるいは「支払い」を意味し、「請求書は私につけておいてくれ」という意味です。
以上のことから、主語を I にして I'm buying. とすれば、「私が買います」、つまり「私がお金を払います」ということになるわけです。「おごるよ」という意味でなくても、「この場は私が払いましょう」という感じで使われることもあるでしょう。一方、主語を you にして You're buying. とすれば、「あなたが買います」、つまり「あなたがお金を払う(ことになる)」という意味になるわけです。「あなたのおごりだね」というニュアンスのこともあれば、「この場はあなたが払っておいてくれ」というニュアンスのこともあるでしょう。
You're buying. という場面はあまり多くないかもしれませんが、I'm buying. と言う機会はけっこうあるかもしれません。その機会があったときにはぜひ使ってみたいですね。
A: How much is it?(いくら?)
B: I'm buying.(おごってあげるよ)
A: Thanks!
B: No problem.