There is/are ~. の主語は何?

【質問】

「~がある」という意味の There is/are ~. の文の主語は何ですか?

 

【回答】

一般的に、主語は平叙文では動詞の前にあります。ではこの文では there が主語かというとそうではありません。There is/are~.の文は、~is/are there. が倒置されたものであると考えれば、主語は「~」の部分の語、すなわち「~がある」の「~」にあたるものと言えます。もちろん、there 自体も主語であるという考え方もあります。ただし、その場合はこれを形式的な主語とし、本当の(意味上の)主語は「~」の部分とすると考えます。

 

① There is a cat in the box.

② There are three boys at the top of the mountain. 

 

では、なぜ there と主語が「倒置」されているのかと言うと、There is/are ... と話し出すことで「これからどこかに何かがあるという話をするよ」というサインを出すためなのです。be動詞の疑問文でbe動詞を主語の前に出したり、一般動詞の文で助動詞(do, does, did, can など)を主語の前に出したりするのも「これから質問をするよ」というサインを送るためであるのと同じです。

 

なお、There is/are~.の文では「~」の部分に来るのは「初めて紹介するもの(人)」だけです。したがって、基本的には次のような文はまちがいです(下の文の「*」はまちがった英文であることを示す印です)。

 

③*There is the cat in the box.

④*There are Disneyland and Universal Studio in Japan.

 

まず、③の文がおかしいのは、定冠詞の the が付いているので cat が初出ではなく既出であることを表しているからです。次に、④の文がおかしいのは、Disneyland や Universal Studio は固有名詞で説明する必要がないものだからです。③④のいずれの「~」も「初めて紹介するもの」とは言えないので、There is/are~. の文では使えません。

 

ただ、インターネット上の英語やネイティブ(母語話者)の会話などではこの基本的なルールが無視された表現をかなり見かけます。それらについては、私たち日本人が必ずしも正しい日本語を使えているわけではないのと同じだと考えてください。なお、特に④のような固有名詞を使う文が最近は多くなっており、映画やドラマの台詞としてもよく聞くようになりました。そういうことまで含めると、「固有名詞は使わない」とは言い切れなくなったとも言えるかもしれません。

 

元に戻る