【質問】
9月号 58ページの Check it! の <buy+物+for+人> と <buy+人+物> の2つの言い方には使い分けがあるのでしょうか?また、62ページの <give+物+to+人> と <give+人+物> で、give のときはなぜ for はなくて to なのですか?
【回答】
まず、最初の質問に対する答えですが、結論から言うと2つの言い方には使い分けがあります。そして、その使い分けは、英語を正しく理解し、使いこなすための大切な法則の1つでもあります。それをひとことで表すと、「エンドフォーカス」(文末焦点)と言います。つまり、英語では文の最後に大切な情報や相手に注目してもらいたい事柄を持ってくる傾向があるということです。
では、それをご質問のあったページにある2つの英文で見てみましょう。
① He gave the food to her.
② He gave her the food.
この2つの例文はいずれも「彼は彼女にその食べ物をあげました」という意味ですが、どちらの文で言うかで、相手により伝えたいことがどこにあるのかが変わってきます。
上記のように、エンドフォーカスの法則があることを適用すると、①の文では "the food" よりも "to her" の方が大切な情報であり、②の文では "her" よりも "the food" の方が大切な情報であることになります。つまり、①は「彼女にあげた」ことが言いたいのであり、②は「その食べ物をあげた」ことが言いたいのです。したがって、この2つの文を読んだり言ったりする場合は、①では "to her" を、②では "the food" を少し強めに発音します。
次に、2つめのご質問の件ですが、これは動詞(buy と give)の意味のちがいからくる前置詞(for と to)の使い分けによるもので、ちょうどまったく同じことを11月号の当ページで詳しく説明していますので、そちらをご覧ください。