夏の使者(その1)はカッコーでしたが、あともう1つ夏の訪れを感じさせるものがいます。それは「春の使者2」でお話ししたツバメです。今年は結果的に4組(+1組?)がステーション・ビルに巣を作りました。面白いことに毎年最初に作られるのはビル入り口の階段の吹き抜けのかなり高い場所(10mくらい)なのですが、それ以外はお店の入口の斜め上3.5m~4mくらいの天井付近やホーム階段の上に作られます。天敵(カラスなど)にやられないように人通りの多い所に作るようです。今年はそのうちの3つがそれぞれ全国展開している有名なお店(カルディー・コーヒー、やきとり日本一、ミスター・ドーナッツ)の壁の上に作られています。ツバメも人気店を知っているようです(笑)。
4月から6月にかけてそれら4つの巣ではすべて子供が産まれ、現在はその中で3番目に早く巣を作ったつがいの子供たちが一斉にコンコース内を飛び回っています。ちょっと前までは親が運んでくる餌を欲しがって巣の中から顔を突き出して大きな声で鳴いていたのに、今では大空を翔るのが嬉しいかのように元気に飛び回っています。例の大きな鳴き声の合唱もありますから、コンコース内はツバメで結構にぎやかです。もっとも、そんなことを気にして上を見上げながら歩いているのは私以外にはあまりいないようですが…。
さて、毎年のことですが、そのツバメたちもあと少しすると一斉に姿を消すことでしょう。ツバメは渡り鳥なので、夏を前に北の大地に渡って行くようです。それぞれの家族がバラバラに巣を作ってそこで育った子供たちが、どうやってまた北のある場所へ飛んでいけるのかが以前から不思議だったのですが、今から2~3年前にある動物番組(ニュース番組?)でそのことが取り上げられていて、長年の謎が解けました。
あちらこちらでバラバラに繁殖しているツバメたちですが、繁殖を終えて子供たちが巣立つようになると、どこかに一端集まるようなのです。その番組では、ある河川敷の葦の茂みに数千羽ものツバメが集まり、やがて集団で北へ飛び立って行く様子が紹介されていました。おそらく、翌年はその河川敷までまた集団で渡ってきて、そこから各々のなじみの場所(?)に散って行くのでしょう。
毎日ステーション・ビルで姿を見せているツバメたちも、ある日突然すべて姿を消してしまいます。きっとその時は、彼らも上記のような“集合場所”に集まっているのでしょう。彼らの姿が見えなくなると間もなく夏本番がやってきます。彼らはその愛らしい姿を見せなくすることで私たちに夏本番の訪れを告げる「使者」だと言えるでしょう。(7/10/2021)
以下の3枚はいずれも同じ日に撮った写真です。娘の一眼レフ(250㎜ズーム)を借りて撮りました。
すでに子供たちが巣立った後なのですが、どうやら別の(同じ?)つがいがまた新しい卵を温めているようです。
右側の親鳥の姿しか見えなかったのですが、もう一方の親が呼びかけると一斉に5羽の子供たちが鳴き始めました。
窮屈そうに並んで外を眺めている4羽の子供たちの後ろに親がいます。この時点では飛べなかった子たちが現在“飛行訓練”中です。