何が「また、また、また…」なのかはっきり言っていませんが、時節柄何のことか想像がついていらしゃる方も多いと思います。そうです。緊急事態宣言のことです。東京など4都府県に4/25~5/11の期間に出されることが発表されました。
筆者の勤務校は都心にあるので、もろにこの影響を受けます。昨年度は4月~5月の臨時休校に加え、6月~7月は分散登校及び授業終了日の繰り下げ、8月~10月初旬は授業開始日の繰り上げ及び1時間の遅延登校と40分授業、10月中旬~12月は1時間の遅延登校と45分授業、1月の緊急事態宣言後は左記に加えて週4日登校、2~3月は30分の遅延登校と45分授業という対策を採ってきました。そして、今年度4月からようやく通常の登校及び50分授業を再開できたばかりだったのですが(ただし、下校時刻は40分繰り上げ)、来週からはまた少し後退することになりました。
さて、このことについてこれ以上嘆くつもりはなく、ここからは本ホームページらしい内容とします。それは「緊急事態宣言」ということばについてです。英語ではこれを Declaration of a State of Emergency と言っています。declaration は declare(宣言する)の名詞、state は「状態」、emergency は「緊急」という意味なので、日本語と英語はほぼ直訳で同じ表現となります。
ただ、筆者の学校の英語科の先生方の間でよく話題になるのが、「緊急事態宣言の解除」という表現です。「『緊急事態宣言』は緊急事態に入ることを宣言することを指すのだから、それが解除されるときに『緊急事態宣言の解除』というのはおかしい。『緊急事態の解除』とすべきではないかということです。この点について、英字新聞など多くの英語メディアでは次のように表現されています。
Japan declared a state of emergency for the Tokyo metropolitan area.(日本は東京都を対象に緊急事態を宣言した)
The state of emergency in Tokyo has been lifted.(東京の緊急事態は解除された)
Japan extends the state of emergency.(日本は緊急事態を延長する)
これらを見ると、「緊急事態」が宣言/解除/延長されると書かれていますが、「緊急事態宣言」が宣言/解除/延長されるとは書かれていません。やはり、日本語の表現は論理的におかしいと思うのですが、政府もテレビのニュースや新聞等もずっと使い続けていますね。う~ん、どうしてでしょう…?
ちなみに、「解除される」に使われている lift は「持ち上げる」かと思ったら、「取り下げる」「解く」という意味もあることをこの表現から学びました。(4/24/2021)