今回のタイトルはそのものズバリの「コミュニケーション」、すなわち「伝達(すること)」や「通信(すること)」を意味することばです。communicate(伝達する)という動詞の名詞形ですね。
筆者は英語教師を長年やっていますので、「コミュニケーション」という人の行為には敏感な方だと思っています。それに対しては英語の授業のときだけでなく、学校生活のあらゆる場面で遭遇する、生徒、教員、保護者、その他の人々と関わる場面においても気を遣っているつもりです(客観的に見てできているかは不明)。もちろん、自分の家族とも良好な関係を築くための意思疎通もしっかりしてきたつもりです。おかげさまで、妻や2人の子供たち(と言っても2人ともすでに成人ですが…)ともこれまで大きな問題なく過ごせています。
そのような自分の経験があるので、突発的な事態が起こったときに関わる人とも良好な関係を築こうという気持ちが働きます。例えば、先月まで約1か月入院していた病院でも、出会ったすべての医師、看護師、看護助手、清掃人、同室の患者やその家族、面会室で暇そうにしている患者等の人たちにも積極的に声をかけ、名前を覚え、いろいろな話をしました。これは過去に入院したときもいつもやってきたことです。もちろん、そのような関係を望まない人もいますから、そのあたりの見極めは慎重にして声をかけるようにしています。おかげで、行く先々で知り合いができるので、入院していても飽きません。
また、入院しているといろいろなタイプの患者と出会います。ほとんどの人は健康を害している人ですから、その不安からか医師や看護師、はては同室の患者に対して攻撃的な発言をする人もいます(大抵は高齢男性)。そのような人がいるときは、自分の気分も悪くなりがちです。でも、それをそのまま放っておいては何も解決しないので、そういう人にも自分の方から積極的に話しかけるようにしています。そうすると面白いもので、そういう人も「感じの良い人」に変身(?)することがあります。まさに「コミュニケーション」の力ですね。
このあたりのことは、長年教員をやってきた人間の“性(さが)”というか、習慣というか、癖みたいなものです。黙っていることができない質(たち)とも相まって、他の職業の人からは信じられないことかもしれないのですが、相手との関係が困った状況に置かれたときにこそ力を発揮してくれる魔法みたいなものだと思っています。
本ホームページを訪れた人の中には、日ごろの生活の中で人間関係があまりうまくいっていないことに悩んでいる人もいるかもしれません。そのようなときは、自分の方から積極的に相手に声をかけて話をしてみてください。案外、悩んでいたことが馬鹿らしく思えるくらい簡単にその状況が改善されるかもしれません。
コミュニケーションが大切なのは英語の運用力を身につけるためだけではなく、より良い生活を送るためでもあるということを、何度も入院生活を送ってきた経験からも学びました。入院するようなことになっても悪いことばかりではなく、良いこともあるものです。(9/16/2023)