大河ドラマ

「大河ドラマ」と聞いて、まさか「何それ?黄河かガンジス川の話?」などと言う人はいないでしょう。それほどまでに、このことばは日曜日夜8時から放送されるNHKの連続ドラマのことを指すことばとして定着しています。名前の由来は、大河の流れのように1年間というゆったりとした時間をかけて歴史上の人物の人生や出来事について描くということから来ているそうです。

 

本年は度々他局のテレビ番組でも話題になっている『鎌倉殿の13人』(The Thirteen Lords of the Shogun)というドラマです。鎌倉時代が明けた前後の頃の出来事を、第2代執権となった北条義時を主人公として描くというものです。実は、元々あまり歴史に興味のない筆者は、教科書に出てきた北条義時のことすら覚えておらず、初代「鎌倉殿」(鎌倉幕府の頭領)となった源頼朝や「いい国(1192年)作ろう鎌倉幕府」で覚える鎌倉時代が始まった年(現在は正確な年が確定できずにゆれているそうです)のことくらいしか覚えていませんでした。

 

しかし、見始めてみると、この時代が何と言う激動の時代であったのかということを思い知らされました。中盤あたりから毎回のように描かれる、「吾妻鏡」他に記されていて“史実”とされている出来事のすさまじいこと。そのすさまじさたるや、後の「戦国時代」を凌ぐものではないかと改めて多くの人に思わせたのではないでしょうか。残りの期間でまだ描かれていない“史実”がどのように描かれるのかが楽しみです。

 

ところで、上記のような事情から、筆者が大河ドラマをきちんと見たのは、筆者が大学生のときに放送された『徳川家康』(1983年、滝田栄主演)が初めてでした。それはちょうど筆者がバイクで日本一周をしていたときと重なり、戦国時代や江戸時代の名所・旧跡を訪れることが多かったのと無関係ではないでしょう。何の知識も無く訪れるより、ドラマで紹介された場所や登場人物ゆかりの地であるという方がずっと面白かったからだと思います。なお、来年はその家康を新たな視点から描く作品が放送されるようですね。

 

その後はまたしばらく(30年近く)大河ドラマをほとんど見ない時期がありましたが、ここ10年ほどは再びよく見るようになりました。その中では、「大河史上最低の視聴率を記録した」と言われる『いだてんー東京オリンピック噺-』(2019年、中村勘九郎・阿部サダヲ主演)と次の1万円札の肖像となる渋沢栄一の生涯を描いた『青天を衝け』(2021年、吉沢亮主演)の2作品は一話も欠かさず、かぶりつくように見ました。

 

この2作品を欠かさずに見た最大の理由は、両作品とも主な登場人物の中に筆者の元勤務校の関係者(教員、卒業生)が大勢登場していたからです。いずれも明治維新の頃や明治以降の東京を舞台の1つとして描いていたので、130年以上の歴史のある都内の伝統校の関係者が出てくることは事前に予想していました。また、なんと両作品には筆者の学校の教職員が俳優としても登場していたのです(二人とも冒頭のテーマでキャストまたはスタッフ表示。一人は台詞有りの重要な役、一人は登場人物の所作指導と台詞の無いお供の役)。そうしたことも両作品をしっかり見た理由でした。

 

次にこの時代が舞台の作品が放送されるのはいつになるのでしょうか。そのときを楽しみにしています。(10/1/2022)

 

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