筆者の勤務校は2学期制を採っており、10月中旬の前期と後期の間に週末を入れて5日間の秋休み(秋季休業)があります。昨年はその時に念願のひたち海浜公園のコキアを妻と見に行ったのですが(その時に撮った写真を背景にしてあります)、今年はコロナ禍で大学にほとんど行っていない息子と2人で奥只見湖までドライブに行ってきました。もちろん、昨年も今年も年休(有給休暇)を取って行ったのであって、勤務時間中に旅行に行ったわけではありません。
目的地は奥只見湖(新潟県魚沼市)で、紅葉見学を目的としていましたが、当日はあいにくの雨模様であったので、初日は湖に近い温泉ホテルにとりあえず行くだけとしました。当初は関越自動車道で最寄りのICまで一気に走ってお昼頃には奥只見湖に到着する計画を立てていましたが、ホテルに行くだけなら急ぐことはないと一般道(国道17号)をゆっくり走っていくことにしました。時間はかなりかかり、道も三国峠(群馬県と新潟県の県境)付近は険しいのがわかっていましたが、運転手が2人いるのでそれほど苦にはならないであろうという読みもあったからでした。
もちろん、行く途中に何か見所があればそこに寄ってみようとは話していました。そこで、前日に買ったガイドブックを見てみると、越後湯沢付近にテレビで何度か紹介されたことがある有名なトンネルがあることがわかりました。そこは十日町にある「清津峡渓谷トンネル」という場所です。全長が750メートルもある遊歩道のトンネルですが、2018年に中国の芸術家マ・ヤンソンの作品として改修されると大評判となり、2019年には20万人以上もの人が訪れる人気スポットになっていました。
昼食を渋川(群馬県)で取っている間にそこに寄ってみようという話になったのですが、目的地に着くにはまだまだ時間がかかりそうです。ナビによると、営業終了時刻の16:30には間に合いそうにありません。しかし、実際の距離からするとなんとかギリギリで入れそうなので、とにかくそこを目指して走っていくことになりました。そして、途中で1回トイレ休憩を取った以外は雨と霧で視界と路面の悪い国道を走り続けたところ、16:22に目的地の駐車場に着くことができました。そこから歩くこと約5分。何とかギリギリ・セーフでトンネルに入ることができました。
ただ、なんとか時間までに到着できそうだと思った時点で、天候が悪くて時間もギリギリであるということが"悪条件"よりも“好条件”だと思い始めていました。平日だということもあったのですが、天気が悪くて終了時間ギリギリなら空いているだろうと思ったからです。案の定そうでした。私たちがそこへ向かう途中に何組かの人たちが帰路についていましたが、私たちが着いたときにはトンネル内には他にいませんでした。結果的には私たちよりさらにギリギリに着いた若者2人組にトンネル内で抜かれてしまいましたが、最も有名な撮影スポットは彼らと私たちの独占状態で、お互いに譲り合ってじっくり楽しむことができました。
その日のうちに LINE で妻と娘にそれらの写真を送ったところ、特に出張中の娘が「私も行きたかったところ!でも、なんで人がいないの?」と食いついてきました。それだけ若者の間で話題になっている場所だったようです。「天候悪し、時間ギリギリ」も場合によってはよいものだということがわかった旅でした(笑)。翌日は天気が良く、奥只見湖やそこへ至るまでのシルバーライン、さらに日本海の美しい海と夕陽、美味しい寿司などを堪能することができました。そして、帰路は上越市から高速(上信越道、関越道)で3時間半くらいで自宅に戻ることができました。
なお、件のトンネルの写真をあげておきます。気に入った方は機会があったらぜひ寄ってみてください。もっとも、時期、曜日、時間、天候によっては大混雑しているかもしれませんが…。(10/23/2021)