英語の発音をよくするための最も基本的な訓練はどこから始めたらいいでしょうか? 単語? 文?
いいえ、それは英語の個々の音(おん)です。ここではそれをアルファベットの「音」としておきましょう。
英語には「母音」(vowel)と「子音」(consonant)があります。母音について言えば、日本語の「あ」に相当するものだけで9~10種類あると言われています。これに子音を加えればかなりの数になります。したがって、最初からそれらをすべてマスターしようとすると大変なので、もう少ししぼって練習することにしましょう。上記で「アルファベットの…」としたのもそのためです。こうすれば26音にしぼることができます。
では、アルファベットの「音」とは何でしょうか? 「エイ、ビー、シー(スィー)…」でしょうか?
いいえ、これらはアルファベットの「名前」であって、「音」ではありません。本コーナーの最初の項目である「1. アルファベットの名前を読めても英語は読めない」にもあるとおり、単語や文を読むときには、アルファベットの名前を知っていても英語を読む(発音する)ことはできません。それは単語を構成している個々の文字の発音は、多くの場合で「音」であって、「名前」ではないからです(母音は「名前」を「音」として発音する場合もあります)。
以上のことから、英語の発音をよくするための最初のステップは、アルファベットの「音」の正しい発音を知り、それを実際に自分で発音できるようになることです。
個々のアルファベットの発音の仕方は、先述した「1. アルファベットの名前を読めても英語は読めない」に詳しく書いてありますので、そちらを参照してください。
実際に個々の音を練習できたら、その26音すべてを素早く言えるように練習してみてください。文字を見て瞬時に正しく発音できるようにならないと、単語を素早く正確に発音できないからです。その練習用として、以下のような面白い動画をYouTubeにアップしてあります。これは、2020年春の新型コロナウイルス感染症対策で学校が休校になった際に、筆者が教える新入生(中1)にオンラインで英語の授業を行うために製作したものです。一般向けとしては匿名での限定公開となりますので、実施者(筆者)の顔にはぼかしが入れてあります。ご了承ください。
A New a-b-c Song (Nory's Version: Masked)
with the karaoke music by NHK Radio No.2 Kiso-Eigo 1(2001).
また、アルファベット26文字の音を単語と一緒に練習したい人用に次のような動画もあります。これらも2020年に中学校1年生用に製作したものです。チャンツのリズムで言えるように作ってあり、うまくそれに乗って言えると心地よくなりますので、何度か練習してみてください。最初は①のモデル音声入り(声は筆者)で練習し、言えるようになったら②のカラオケ版に挑戦してみましょう。