「これでつづりが読めるようになる!」シリーズ第7弾です。今回はなんとなくサスペンス調のタイトルを付けましたが、要はその後の( )の中に書かれているとおりで、同じ子音が重なった場合に起こる発音の特徴をご紹介します。
タイトルではりんごだけですが、アルファベット・チャンツ26語には対象の語が複数あります。それらは次のとおりです。
apple, egg, rabbit, umbrella, yellow
上記の赤い字の部分が件の子音字の重なりです。では、これによってどいう“現象”が起こるのでしょうか?
答えを言ってしまう前に、apple を例に取ってその成り立ちと発音の関係を見ていきます。
apple を次のように分解して、どう読むかを考えてみましょう。
① a …「ア」
② ap …「アプ」
③ apl …「アプル」
④ aple …「エイプル」
⑤ apple …「アプル」
上の発音の変化を説明しましょう。①~③は個々の音の連続で発音します(ただし、②や③のつづりは存在しません)。④になると「マジック e」の働きが出て a の部分が「エイ」という名前読みになります。ところが、⑤になると、つまり pp と同じ子音字が重なる「りんご」の“完成品”は「アプル」という発音ですね。
④から⑤への変化でわかることがあります。それは pp となったことでマジック e の働きが無くなってしまった(邪魔されてしまった)ということです。つまり、同じ子音字が2つ重ねることは、その前にある母音を「音読み」にするという約束を読み手に与えるのです。
以上のことから、apple 以外の単語についても同様の現象が起きているはずです。それを確認してみましょう。
egg, rabbit, umbrella, yellow
それぞれ同一連続子音の前にある母音、つまり太字の母音の発音はどうなっているでしょうか。
左から「エ」、「ア」、「エ」、「エ」ですね。すなわち、「音読み」になっています。
このことから、同じ子音字が重なると、その前にある母音字が音読みになることが確かめられました。
上記の単語だけでは a と e の例しかないので、みなさんが知っている他の単語でも確認してみましょう。以下の同一連続子音が入っている単語の直前の母音の発音を見てみてください。
・arrow, borrow, carry, dinner, follow, getting, humming, inning, kettle, letter, manner, Potter, summer, winner
どうでしょうか。いずれも太字の母音の発音は音読みですね。
つまり、ネイティブ・スピーカーたちは同じ子音字が重なっているのが目に入ると、その直前にある母音字を音読みすると即座に判断するのです。これはちょうど、私たち日本人が小さい「っ」を見ると直前の文字の音を短母音にするのと似ています。
これでまた読める語が増えました。アルファベット・チャンツ26語の中で新たに読めるようになった語は次のとおりです。
・egg, rabbit, umbrella, yellow
つまり、K1~K7で読めるようになった語は…
apple, bag, cup, desk, egg, fish, girl, hand, ink, jet, king, lion, moon, notebook, octopus, picture, queen, rabbit, star, telephone, umbrella, violin, window, box, yellow, zebra
あともう一息です。では、次回もお楽しみに!