この表現も映画やドラマを見ているとよく耳にします。はたしてどんな場面で、どのような意味で使われる表現なのでしょうか?
直訳するとタイトルのような意味になります。これは name という動詞のもっとも基本的な意味を当てはめたからです。We named the dog Pochi. という文でおなじみの「名付ける」という意味ですね。しかし、その結果の日本語からもわかるとおり、タイトルの文では name の意味を別のものにしないと意味不明です。
では、まずこの文が使われているある場面で見てみましょう。
① A: What can you buy at Amazon?
B: You name it.
う~ん、こういう会話もけっこう多く見かけますが、これでは使い方をご存じない方にはわかりませんね。そこで、B の台詞にもう少し情報を加えてみます。
② A: What can you buy at Amazon?
B: Well, clothes, toys, books, foods, .... You name it.
どうでしょう? えっ? 「ああ、『~など』という意味だ」ですか? つまり、"and so on" と同類の表現ではないかと?
惜しい! 答えを行ってしまう前に、この部分を別の表現で言い換えてみましょう。
③ A: What can you buy at Amazon?
B: Well, clothes, toys, books, foods, ..., anything you like/want.
そうです。たいていは、話の中で話題になっていることの具体例をいくつか挙げた後に、「どんなものでも」とか「なんでも」という意味のことを付け加えたいときに用いられる表現なのです。ただ、①のように例を挙げずにいきなり言う場合もあります。これはこの表現が「慣用句」として広く定着していることを意味します。
このような意味になるのは、name という動詞の意味に「示す」「明示する」「指名する」という意味もあるからです。つまり、You name it. は「それ(=あなたのほしいもの)を言ってごらん(→それはきっとあるよ)。」という意味なのです。なお、この文は主語の you が入っている命令文だと解釈できます。
いかがだったでしょうか。実際の日々の会話では上記のような場面に自分が遭遇することはそれほど多くないかもしれませんが、誰かに質問されたらあえて具体例をいくつか挙げて最後にこの表現を加えてみると、ちょっと格好いいかもしれませんね。