カターンの笛3 an exclusive replica of the Ressikan flute

タイトルに「3」とありますので、以前に「1」と「2」があったものですね。知っている人にとっては「待ってました!」、一方の知らない人ーおそらくほとんどの人がこちらだと思いますが-にとっては「何、それ?」というものです。それが何かについては、特に後者の方に「1」の「76. ピカードの笛」と「2」の「83. ピカードの笛2」を読んでいただければと思っています。

 

今回の笛は、プロップ・レプリカとしては究極の物でしょう。『スタートレック』をはじめ数々の映画やドラマのプロップ(小道具)のレプリカを製造・販売している Factory Entertainment というアメリカの会社が販売していたものです(すでに売り切れ絶版になっています)。以前からいつかは同社から出されるのではないかと期待していたのですが、なかなか発売されませんでした。ところが、ついに2021年11月に500個限定品として発売されたのを発見し、即購入しました。ただ、さすがに本体価格274.99ドル、送料80ドルの計約355ドル(当時の日本円で40,830円)もしたので、妻の了承、いや事後承諾を得ましたが…。

 

さて、届いた品物は、「1」や「2」で紹介したものより明らかにクオリティーの高いものでした。やはり『スタートレック』フランチャイズの正式認可を得て造られた製品はちがいます。それは本体の造りはもちろん、付属品の保存箱にも言えることでした。本体は「1」のように音を出すことはできませんが、箱には件の曲がドラマの音声がそのまま録音された電子音声として再生されるようになっていて(単四電池2本で動く)、保存箱の右横にあるボタンを押すと演奏が始まります。

 

ところで、プロップの本物(ドラマで実際に使われた小道具)は以前に48,000ドル($1=130円で6,240,000円)でオークションで落札されましたが、2021年8月に再びオークションにかけられ、この時はなんと190,000ドル(同24,700,000円)で落札されました(当時のニュース記事は "One of the Most Iconic Props in Trek History Sells at Auction" と伝えています)。ドラマの小さな小道具が約2,500万円もしたというのは信じられないかもしれませんが、世界中の『スタートレック』ファンが欲しいと思っているものなので、次にオークションに出されたときは1億円を超えるかもしれません。

 

ちなみに、カターンの笛が登場した『新スタートレック』(Star Trek: The Next Generation, 1987-1994)の続編とも言える『スタートレック ピカード』(Star Trek: Picard)のシーズン1~3が現在 Amazon Prime で配信中です。ピカード船長をはじめとする往年のメンバーが勢揃いした新しいドラマは、旧来からのファンのみならず、未見の人たちもきっと楽しませてくれるでしょう。ただし、オリジナルの『スタートレック』(邦題は『宇宙大作戦』, 1965-68)の映画版(1979-95)と同様かそれ以上に、出演俳優たちがみなお年寄りになっていますが…。

 

そして、なんとそのシーズン3の第1話にこの笛が再登場しています。最初の方でピカードが自宅(フランスのピカード農園)でロミュラン人の恋人のラリスと昔話をしているときに、机の上に置いてあったこの笛をピカードが手に持つシーンが一瞬だけ描かれています。小道具の“本物”はオークションで人手に渡ってしまっているので、おそらく新たに用意したものでしょう。1回目に見た時は気づかなかったのですが、2回目に見つけて驚きました。おそらく世界中のスタートレックファンが喜んだことでしょう。(5/6/2023) 

 

外箱(段ボール)

外箱側面のシリアルNo.(2カ所)

限定品らしい内箱


内箱と中身

付属の保存箱

保存箱裏側のシリアルNo.


保存箱の中の笛

中部管のアップ

頭部管のアップ


保存箱右下のミュージックボックス

付属品のカード(三つ折りの内側)

付属品のカード(三つ折りの外側)


過去に手に入れたレプリカ1(左)、2(下)とのそろい踏み

※1と2はアメリカ人の個人が作成したもの

上から

・カターンの笛1

・カターンの笛2(箱無し)

・カターンの笛3

で紹介したもの


 

<オマケ>

Factory Entertainment 社のホームページには、以前はこのレプリカの再生風景の動画がありましたが、売り切れになってしまった現在はそれも削除されてしまっています。ところが、最近になって同社が再び同製品の説明をする動画をYouTubeにアップしたので、それを下に貼り付けておきます。18分以上もあるビデオで字幕もありませんが、リスニングの訓練と思って辛抱強く見てみてください。件の電子音声の演奏を聴くこともできます。