五輪の歓声と真夏の使者

東京オリンピックが閉幕しました。新型コロナウイルス感染症との関係で賛否両論のある中での開催でしたが、日本の選手だけでなく世界の一流選手たちのパフォーマンスを見ることには興奮を覚え、家族みんなで歓声を送りました。

 

そんな中で本コーナーらしい話題を1つ。外国の選手の少なからぬ数の人から日本のあるものに対する訴え(クレーム)があったという記事がネットに載っていました。東京の猛暑? もちろんそれもあるでしょうが、筆者の目を引いたのは「セミの声がうるさくて集中できない」という訴えです。普段なら観衆の歓声で聞こえないはずのセミの声が、シーンと静まりかえったスタジアムに響きわたっていたというのは想像に難しくありません。

 

確かに、スタジアムからのレポートなどを見ていると、バックに大きなセミの声が聞こえます。近年は東京でもクマゼミが鳴くようになったので、そのボリュームたるや、セミがあまりいない国から来た人は「あれはいったい何だ?」と思ったことでしょう。日本人ならセミの鳴き声は「風流だ」とか「夏の風物詩だ」と聞き流すこともできそうですが、単なる昆虫でしかないと思っている国の人にとっては大変な騒音であったと思います。

 

さらに、ゴルフ会場となっている埼玉県のゴルフ・コースでは、セミの鳴き声に加えてカラスの鳴き声がうるさかったと言います。打とうと思ってクラブを振りかぶったときに「カ~!」と鳴かれては、タイミングを狂わせられてしまいますね。

 

8月に入ってから、都心にある筆者の学校でも連日のように敷地にある雑木林からミンミンゼミ、アブラゼミ、ニーニーゼミの大合唱が聞こえます。今年は8/2の時点ではまだヒグラシとツクツクホウシは聞いていないですね(その後は出勤していないのでわかりません)。地下鉄で3駅ほど南にある駅の前ではクマゼミも聞かれますが、筆者の学校では今年はまだ一度も聞いていません(3年前と昨年にそれぞれ一度(1匹?)聞きました)。関西地区で“猛威”をふるっているクマゼミに東京が席巻されるのも、それほど遠くない将来だと思いますが…。

 

オリンピックも終わり、それに熱狂した歓声は「兵どもが夢の跡」のように聞こえなくなった東京、いや日本ですが、真夏の使者の声はまだ当分聞こえそうです。(8/7/2021)

 

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